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鳥羽和久「言葉を血肉化し、本当の言葉が生まれる場所をつくるために」—『「学び」がわからなくなったときに読む本』刊行記念241128
2022年12月に開催された『君は君の人生の主役になれ』刊行記念トークイベント以来2回目のご登壇として、11月28日(木)に鳥羽和久さんをお招きしてトークイベントを開催いたします。
10月17日(木)に刊行された『「学び」がわからなくなったときに読む本』の刊行記念として、「言葉を血肉化し、本当の言葉が生まれる場所をつくるために」と題しての開催です。前回同様、広く多様な方々に足を運んでいただけるとうれしいです。
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ぼくが鳥羽さんを好きな理由は、「本当の◯◯とは何だろうか?」という問いをつねに持ち続けていながら、たとえば「子どもが嘘をついているときとわかっていても、嘘を暴くことをせずにそのまま子どもの秘密を守る」という仕方で(本来批判するだろう)「嘘」をポジティブに捉え返してくれることにあります。嘘という言葉を完全な悪者にしないし、きっと正義という言葉を完璧なヒーローとはしないように思います(ぼくには鳥羽さんが嘘という存在を救い出すヒーローに見えたりします)。
「学び本」においても、究極的な根拠のない授業料を納得してもらうための、論理を超越した説得の言葉を(いい意味での)「嘘」と言っているし、「家族の絆」という嘘を暴きつつも、そこに横たわる嘘を無碍にすることなく、アンビバレンツな気持ちを抱き続けるという姿勢がとても特徴的な方だなぁと思っています。
もう少し言うと、アンビバレント(両義的)なことを最終局面までサスペンデッド(宙づりに)し続けて、最後の最後、個別の状況を直感で判断する知性だけがある種の「答え」を出すことができる。そして絶対的な答えなどない。その場限りの複数の答えだけが存在している、という主張をしているように感じるんです。
本質を見極めようとすることでどうしても生まれてしまう排他性と目の前にいる相手をできるだけ理解したいという包摂性をここまで高次に持ち合わせている人をぼくはあまり知りません。
福岡からお呼びすることはとても貴重な機会ですので、教育関係者のみならず、親子関係、友人関係に悩む方、あるいはまったく人間関係順風満帆な人まで、ぜひぜひお集まりいただけるとうれしいです。
あと遠方の方でも、配信プラットフォーム「シラス」にて、リアルタイムはもちろんのこと、アーカイブ(半年間)配信を1,650円にてご覧いただけます。
日時:2024年11月28日(木)19:00-21:00
ゲスト:鳥羽和久(株式会社寺子屋ネット福岡 代表取締役)/聞き手:田中辰幸(ツバメコーヒー店主)
定員:20名
料金:2,200円(コーヒー付)
会場:ツバメコーヒー(新潟県燕市吉田2760−1)
申込:tsubamecoffee@gmail.comまで件名「鳥羽さんトーク」としてお名前、連絡先を添えて
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ゲストプロフィール
鳥羽和久(とば・かずひさ)
教育者、作家。専門は日本文学、精神分析。大学院在学中の2002年に福岡市唐人町にて学習塾を開業。現在は株式会社寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、単位制高校「航空高校唐人町」校長、オルタナティブスクールTERA代表として、150人余りの小中高生の学習指導に携わる。著書に『おやときどきこども』(ナナロク社)、『親子の手帖』(鳥影社)、『君は君の人生の主役になれ』(筑摩書房)、『「推し」の文化論』(晶文社)など、編著に『「学び」がわからなくなったときに読む本』。