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聞こえてますか? / SP花園

ちょっと大きな、とある駅のホームにて。
娘と並んで電車を待っていたら、ふいに彼女からこんな問いを掛けられました。

『ねえ、ここ、鳥のさえずり、ずっと聞こえてるやろ? さあ、なぜでしょうか?』

『ん? ああ、これは本物の鳥じゃなくてスピーカーから流れてる音やな。
こんな夕方なのに鳥のさえずりはちょっと違和感あるなあ~。
ええーと、、ハト除けのため??』

『そんなんじゃないよーー』

『ンじゃあ、ただの癒し?? 仕事帰りで疲れた皆さんへの😊』

『ち・が・い・ま・す!』

この答え、知ってる方は多いんだろうか?
私は全く知らなかったんです。そのとき娘に問われるまでは。

『こんな鳥のさえずり音、いままで気にしたことなかったやろ? 
だからいいねん。普通に駅を利用している人はそれでいいねん。』

これが娘からの大きなヒント。
もう分かりますか??私はこれでもダメでした💧

答えは、
「視覚障がい者の方に、ホームから駅の出口に向かえる”階段の場所”を知らせるため」

なるほど、私たちが立っていた場所は、まさにその階段あたりでした。
そこで一日中、いい感じのインターバルで、さえずっている鳥の声。
・・聞こえているはずなのに、聞こえていませんでした!
でも。それこそがまさに狙いで、健常者が必要としない通知なのでスルーしてもらえる音がよいのだと。
ああ、音のデザインってそういうことなんだなあ。

逆に、健常者に向けられる通知音は、耳に障るぐらい不自然な音や、何度もリピートされる注意喚起のアナウンスなど、騒々しいものが多いなあ。
そうまでしないと大切なことが耳に届かない環境に居るのかな。
うーん。
ある意味、音痴になってるのかも。それはなんだかイヤだ。

カタチはたくさんデザインしたきたし、ちょっと視覚より聴覚寄りのデザインを真剣に考えてみたくなりました。
そんな命題をひょっこりくれた娘。
通学途中のある日、『なんでここで鳥のさえずりが??』と不思議に思ってネットで調べたんだそう。
すなおにえらい⚡


※冒頭の写真は、真っ暗な部屋で目が見えない状態で、手の感覚だけでつくった陶芸作品なのですが、なぜか「耳」を生やしてるんです!
ーーー 2020年、闇土(やみつち)ワークショップ@ツバメルーフ

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