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私語禁止キャンプ/松村
京都に住む友人と2人で、キャンプに行った。
ふたりとも誕生日が近いので、お誕生日会キャンプをしようと、何年か越しで実現した。
近くの道の駅で待ち合わせをして、ちょこっと買い物して、キャンプ場に向かう。
ついた途端…
ががガガガー!
予約した場所が、道路工事の真横。
えーうそやん…
平日だからな…。仕方ないか。そりゃ道路工事もするよね。
気を取り直して、まずはコーヒーでも飲もう。
ガガガードンドん。
山で飲むコーヒーは美味しい…んだか?よくわからない…。
2人して笑いがこみ上げる。
ま、いいか!
久しぶりの友に会えるだけでうれしい。
各々テントも設営して、夜ご飯の準備をして、夕方。工事が終わってからが本番。
動物の鳴き声も聞こえる。
鍋をつつきながら昔話に花が咲く。学生時代の夢の続きのような…今どきで表現するとエモい時間。(もう古い?)
パチパチ燃える焚き火が楽しい。
そうそう。キャンプといえばこれやん。
楽しくてキャッキャとしていたら、
「すみません、もう少し小さい声で…」と注意された。
わぁあ、すみません!!
遅い時間でもないし、それほど大声で話してるつもりはないけど、夜の山は響くみたい…。ごめんなさい。気をつけます。
できるだけヒソヒソと話し、早めに就寝。
朝起きてキャンプ場を見渡すと、
どひゃー!!
昨日は気づかなかった、びっくりするくらいの大量のキャンパーが!
40以上あるサイトがほぼ満席…(満テント?)
こんなにいたの?
しかも私達以外、ほとんどが男性のソロ。
一人で焚き火を目の前に本を読んだり料理したり珈琲飲んだりして楽しんでいる。たとえば、都会のカフェで本を片手に一人の時間をのんびり過ごすみたいに…そう、ここはまるでスタバのテラス席のよう。
キャンプ場をぐるりと一周してみた。
テントの色も形もいろいろで面白い。
立派なタープの下に、数台のテーブルのを並べ、その上に大量の道具を揃えているひともいる。
まるで家。
木が立ち並び、高低差もあり、ゆったりしているので人目があまり気にならない設計。誰とも目が合わずに一周できた。
こんなにテントがあるのにキャンプ場が静まりかえっている理由は、みんながソロだから。
なるほどぉ。こりゃ昨夜はキャッキャしてうるさかったかも。
朝の散歩を終え、さて。コーヒーでも飲もう、と自分たちのテント前にたどり着いた瞬間。
ガガガー
またまた目の前の道路の工事が始まる。
ピーピーピー(トラックがバックしてる)
ガガガー。
うちらが珈琲飲もうとしたら始まるねぇ…。と笑いながら、美味しいかよくわからない珈琲を飲んだ。工事がうるさいと遠慮なく話せる。
私達が珈琲を飲んでる間に、サッサと撤退するソロキャンパーたち。
私達は思いのほか片付けに手間取ってチェックアウトギリギリにキャンプ場を後にした。
オジサンたちは慣れてるなぁ。
平日の夜にこんなに沢山の人が山の中にしーんと集まっている不思議。
分別ゴミ置き場のきれいなこと!マナーも抜群にいい。
オジサンの一人遊びはなかなかシュールでした。
邪魔してすみません。
こちらは、どうしても口が動いてしまうオバサンです。
いっそうのこと、私語禁止のキャンプ場として売り出すのもおもしろそう。
その名も「禅キャンプ場」。
うん、なんだか流行りそうではないですか。
爽やかな秋晴れ。月が美しく見える夜でした。
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