思ってたんと違う!!(11土design編)/松村-ツバメルーフCAP
わたしたちがデザインするときに使う名まえ「11土design」は、土という漢字を解体すると十と一になることから、11土(ジュウイチド)と名付けた。いろんな土地のものを解体し、別の新しい視点を見つけたい。そんな意図がある。
出会った当初、そのえさん(相方)が私にした質問は今でも覚えている。
「愛ちゃんにとってデザインって何?」
わぉ!って思った。そんなストレートな質問する?でも、うれしかった。
小学校の頃からデザインがしたくて芸短に行き、卒業後、ずっと続けてきたこと。
あれこれ考えることが好きで、いいデザインに心を震わせることが幸せ。
そう、デザインは私の幸せなんです。
なかなか心震えるデザインは出来ないけど。
デザインって、経済の中では商品の価値を上げるためのもの。次々に現れる新しいデザインは、モノに溢れたこの時代でどれだけの価値があるのか?と疑問もある。
しかし、安易なデザインが溢れ、もったいない!そんなんじゃないやんって、がっくりすることも多く、いいデザインは気持ちがいいし、生活を豊かにするし、永く愛されると思っている。
建築、特に住宅に関しては(ふたりとも一級建築士)、街なかに新しい住宅が建つ度に、なんでそうなるの?街並みはどうかんがえてるの?本当に何千マンもかけてこの住宅に住むの?人生それでいいの?この家で育つ子どもの想像力はどうなるの?とよく話す。
情緒的で常識的な私のデザインとは違って、そのえさんのデザインは思わぬ方向からくるロジックのような、単なる思いつきのような不思議さ。そこに刺激を受け、意気投合し、ふたりでやりたい事を片っ端からしよう!と、この6年間、思いつくままにデザインし、いろいろ作った。
ふたりの共通であった建築にまつわるものから始まった。集合住宅のコンペ、住宅、ツバメルーフの内装工事。それから地元産業を盛り上げようと考えたり、物差し、建築材を使ったバッグ、ミュージアムグッズ、Tシャツ、イベント、泉州タオル、足袋、店舗の看板、ワンカットムービー、パンフレット、ワークショップ、などなど。小さいものもいれると数え切れない。
「うーん、それいいとは思われへん。」一人がいいと思っても、容赦ない返事がくる。
ふたりが納得するまでやり直す。その時間がめちゃめちゃ楽しい。
常に何かを企画し、デザインする。そんな状態が続いている。
そこではたと気付く。
あれ?そういや売るの忘れてるやん。
めちゃめちゃ時間かけて、あーだこーだいいながら、作ったよね。
作っておしまい。
大量の在庫。
そっか、クライアントがいる時はデザインだけしてたらいいけど、自分たちで作った商品は売らないと減らないし、お金にもならないんや!!
そんな当たり前のことも、作ることが楽しくて抜け落ちていた。
しかも、自分たちの店にさえ並べてないやん!!
確かに、デザインの仕方は、学校や建築事務所の所長や先輩方、本を読んだり、講演会に行ったり、たくさんの人から学んだけど、モノの売り方は知らない。
見るに見かねて隣のまるぱんやが売ってくれることに。
見るに見かねて、お客さんでもあるしゅんじろうさんも売ってくれることに。
おかげでタオルの在庫はほぼなくなりました。
ありがとうございました。
※他の商品の在庫はまだまだあります。
やりたい事をするのは良いけど、ちゃんと軌道に乗せる、回していく、その能力が私達にはない。もうすぐ靴下が400足出来上がる予定。
次のタオルデザインの試作も出来上がりました。
さて。どうしたもんかな。
いいものを作ったら、じゃんじゃん売れる!とまでは思わないけど、営業しないと売れないなんて、思ってたんと違う!いや、単に考えてなかっただけか。
どなたか、そんなん得意な方いらっしゃいませんか?