自然よもやま話「オオバンとオナモミ」
河川敷に広がるオナモミ畑
埼玉県の元荒川という川を取材していた時の事です。
河川敷を歩いている途中、ふと、足元を見ると……
うわあ!いったいいつの間に?
改めて辺りを見回してみると、近くに生えている植物は、なんとみんなオナモミ!広大なオナモミ畑になっていました。
オナモミというと、小学校の登下校中に友達に投げつけて遊んでいた記憶があり、その記憶もあって好きな植物です。
しかし、このオナモミはどうやら帰化植物の「オオオナモミ」のようです。在来種である「オナモミ」はこのオオオナモミの移入によって数を減らし、絶滅危惧種にまで指定されているのだとか。
帰化植物と聞くと、これほどまで蔓延る生命力の強さになんとも畏怖を覚えてしまいます。
草を食べに河川敷へあがるオオバン
そうして、何日かこの場所に通ったある日のこと。川にオオバンの群れが泳いでいるのを見つけました。
オオバンは、全長39cmほどの大きさで主に河川や湖などに生息する、日本各地で一年中見られる鳥です。
そんなオオバンたちを撮影していると、陸に上がって草を食べ始めました。その先には、あのオナモミ畑……。
オナモミを体につけているオオバンを何羽か発見。
やがてオオバンはオナモミがついたまま川へ戻り、羽繕いをしているうちにオナモミは川へと流れていきました。
オナモミは俗称で「ひっつき虫」などと呼ばれているように、動物や人間にその種子をくっつけて別の場所に運んでもらい勢力を広げていく植物です。
ははあ、このようにしてオナモミはあちこちに分散していったのだな、と納得。
その様子を動画を撮影したので、あわせてご覧ください。
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