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夏の雑木林に香ばしく漂う、樹液が発酵する匂い。そこに集う昆虫たちの、まあなんと顔ぶれの多いことか。 ザワザワ、カサカサ、パリパリ。 乱暴者のスズメバチが先客を押しのける。 カナブンやチョウたちが一瞬退いていく。 樹液レストランはいつもにぎやか。
圃場(ほじょう)整備による大型機械の導入、コンクリート用・排水路の設置などで田んぼの様子は激変している。 かつて、田んぼに多く見られた生き物たちの姿もそれにともなって様変わりしている。 里山の原風景としての田んぼ、そしてそこには多様な生きものが、人間いはばかることなく生活を営む自由の世界でもあった。 生物環境としての田んぼの見直しが必要ではあるまいか。
里山の草木の実(果実)には食べられるものがけっこうある。 どういう種類の実が、いつごろどのような場所で見つかるのか知っておくと、里山歩きも一段と楽しいものになる。 ただし、おいしそうな色や形をしているからといって、知らない実をむやみに口に入れるのは慎みたい。