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ゲンジボタルが乱舞する夏の宵、友達とはしゃぎ、競って光の玉を追いかけた。 夢中になって捕らえたとき、手に残った移り香も昔の思い出。 あんなに光を放っていたホタルたちは、もういない。里山は、いつかあの光を取り戻せるのだろうか。
木々の緑が日増しに濃くなり、雑木林の中も薄暗くなってくる。 田植えの最盛期も過ぎて初夏という言葉がふさわしい日和になるころ、クリの花があふれんばかりに咲き、そこにさまざまな昆虫たちが集う。 とりわけゼフィルスといわれるシジミチョウの仲間は可憐である。 一年に一度しか姿を見せないゼフィルスに会うためにクリ林に足を運んでみよう。 ※ゼフィルス……ギリシャ神話の「西風の神」の名で、ミドリシジミ類の総称。国内には24種ほどいる。