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ベルハー殺人事件⑥

(⚠︎これはベルハー殺人事件という題名でつばめが後先を考えずに不定期にお話を更新していくものです。)(今回は⑥です。初めての方は①から読んでいただけると嬉しいです。)


私たちは、自己紹介をした。
私たちはほぼ初対面ということもあり、特に言うことなどなく、とりあえず名前だけだった。



メンバーは初対面の人に積極的に話しかけるタイプではなく基本的には気まずい時間が流れていた…




私も自分の名前以外になにか言おうとしたが、周りの空気にのまれて何も言えなかった。




そこに大林がやってきた。



大林「仲良くやってるかい? 」



一同は黙ったままだ。



そして大林は「君たちはあと3週間でデビューだから仲良くしてもらわないとな~」とさらっと呟き去っていった。



一同は驚いた。
こんな身体でできるわけない。


でもなぜか、「ぜったいにやらなきゃ」という強迫観念のようなものに駆られた。




───私たちの身体は未完成だった。



そういえば、ここに連れ去られた時の私は、新学期の始まりだった。友達がいない私は、周りの女子グループたちの大きな話し声や友達風の振る舞いを嫌悪していた。


友達がいないことへの嫉妬から、「友達は作らない主義」「友達といるのは馬鹿馬鹿しいだろう」と孤独な自分を押し込み鼻で笑っていた。
いかにも自分の方が優れていると思いこみ、他の人間とは目も合わせない斜に構えている人間だった。


そんな自分が嫌で、本当は寂しく、友達がいない自分が嫌で変えたかった。


そしてたまたま画面の中で見た、誰からも愛されるアイドルに興味を持ちひっそりと目指していた。



連れ去られたあとは、とても苦しかった。
何があったかは思い出せないが…自分がどうにかなってしまう感覚…苦しさ 悲しみ 怒りなど色々ごちゃごちゃの感覚で心も疲弊していた。




どうやらそのまま植物状態が何週間か続いたようで…… 目覚めたあとは一転、毎日看護師さんが来て「辛かったでしょ〜」「気になることがあったらいつでも言ってね」など優しい言葉をかけてくれた。優しく接されて、少し涙が出そうになった。



術後の経過はよく、いつの間にかグルグルの包帯は取れて、身体は完全に回復というところまで来ていた。



しかし、以前よりいくらか痩せている。
よく見ると身体の節々が目立っている…

植物状態が続いたせいもあるのか、私たちはここに来ていてから何も口にしていない………


あるのは腕に刺さっている点滴だけ。



何だこの違和感は…………




私は勇気をだして、ここに来る前から今日まであったことをみんなに話してみた。




この状態で生かされているのもなにか意味があるはずだ、この状況を変えたい、私たちは前に進むしかないという一心で……




つづく

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