医療脱毛は男性に本当に必要か①
「最近は介護される時に面倒かけたくないからと医療脱毛をされる方が増えています。」
最近、医療脱毛に関連するサイトでよく見かけるフレーズだ。
一方でツイッタランドでこんな書き込みを見かけた。
「今後減っていく自分たちより下の現役世代に今から介護される気でいるなんて恥知らずだと俺は思う。」
・・・なるほど、確かにどちらの意見にも一定の正義があるのだろう。
スマホを置き、男は今日の為替と原油価格を確認する。相場には絶対的な正解などなくただ売り方と買い方のどちらが声が大きいかで決まる。ただそれだけである。
やれやれといった具合に気障たらしいポーズをとりながらDWから見える夜景を睥睨し、ワイングラスを傾けた。
・・・若いお姉さんにキン〇マの毛を剃られてアヒンアヒン言わされる1週間前の出来事であった。
※この話は完全フィクションです。誤解なきよう。あとタイトル詐欺です。ごめんなさい。なお反省はしてない。
第一話 私、ハイジニーナなんです。
医療脱毛がしたい。妻がそう言い出したのは初めてではない。男は別に今まで反対していたわけではない。
ただずっと田舎で暮らしていたため、そのような機会に恵まれなかったのである。
片田舎から大阪に引っ越してきて暮らしもようやく落ち着いてきた。男も職場を変えたがようやく生活リズムが整ってきた。確かに始めるなら今かもしれない。どこか他人事のように「良いんじゃない?」と答えた気がする。
よもや「あなたも行くべきだ」なんて言われるとは頭の片隅にもなかった。
恥ずかしながらこの年で何のために脱毛するのかは疑問しかなかったが、毎朝うざったらしい髭剃りから解放されることはなるほど、魅力的であった。
また腋毛や胸毛もなくなるし陰毛も何度か照射してあとはストップすれば薄くなるだけでパイ〇ン(=ハイジニーナ)にはならないらしい。
まあ確かに気持ち衛生的にはひょっとしたらなるかもしれない。あと夫婦割なるものがあるらしく、確かにそれなら受けてもいいかと割と「一緒に三田アウトレットモールに行く」くらいのノリでokしたものであった。
・・・この安易な選択を後に男は激しく後悔することになるとはまだ思いもよらぬのであった。
まずはカウンセリングが必要らしく、妻が某美容クリニックを探してきてカウンセリングを予約した。
本来は二人で一緒に行く予定ではあったが諸事情で妻が遅れていくことになった。
実は男は美容クリニックに入ること自体が初めてであり、本来は二人一緒に行くと思っていた場所に一人で行くことになり、謎にガチガチに緊張しながらクリニックに来院した。
いらっしゃいませ。明らかに美容が好きそうな受付のお姉さま方。こてこてのネイルで彩られた華やかな両手を前で合わせながら45度のお辞儀。完全にコンシェルジュさんが入り口で出迎えてくれる際にやってくれるアレである。総合病院ではまず見ないアレ。
・・・自由診療おそるべし。
知っている病院との違いに男が戦慄いていると若くてとてもキレイなお姉さんが現れ、男のカウンセリングが始まる。
それ以上日焼けしてはいけない(余計なお世話だと言いたいがレーザーが黒色に反応してしまい、炎症が強くなるらしい・・・)
脱毛当日まで保湿と皮疹(ニキビや出来物など)の治療はしっかり行ってこい
脱毛前日に毛を剃ってこい
照射は男なら永久脱毛には10回は必要になることが大半。
要約するとそいうことを言われた。提示されてた金額はサラリーマンの平均月給以上の額。
ぐぬぬ。
男がうなっているところに妻来院。
今度は妻側のカウンセリングが始まり似たような説明を受けていた。
男は完全に手持ち無沙汰になったためツイッターを開くと、そこでは今日も元気に誰かと誰かが正義と正義を戦わせていた。
それらを見ながらやれやれ、まるで超越者かのようなスタンスでツイッタランドを眺めていると、カウンセラーの若いキレイなお姉さんからとんでもない一言が耳に飛び込んできた。
「私、ハイジニーナなんです。」
私、ハイジニーナなんです・・・
わたし、はいじにーななんです・・・
・・・・ぱい〇ん?
・・・・つづく(かもしれない)
※すべてフィクションです。