旅や人生は、目的地よりもその過程こそに価値がある
先日、夏季休暇を利用して岡山県の倉敷に旅行に行ってきました。
旅の大きな目的は、安西水丸さんの旅行エッセイ「たびたびの旅」に登場した、牛窓という地を訪ねてみることでした。
「日本のエーゲ海」と呼ばれるその地は、瀬戸内海に面し、オリーブ畑などもありとっても素敵な土地であることがエッセイで描かれており、ぜひ一度行ってみたいなと思っていました。
元々瀬戸内海に面する広島や香川なんかの土地が大好きだったので、期待に胸を膨らませてその地を訪れました。
しかし、実際に訪ねてみると、その日の天気が曇りだったこともあり、期待よりも胸が踊りませんでした。確かに綺麗な土地ではあったけど、個人的には広島の江田島や香川の直島の方がキラキラしていて景色や雰囲気も素敵だったと感じました。
これは、もしかしたら自分の期待が大きすぎたせいかもしれません。江田島や直島を訪れたときは、前情報なしでフラットな状態で行ったので期待値的に素晴らしく感じたのかもしれません。
ただ、訪れたこと自体はいい思い出になりました。一緒にいったパートナーに、「牛窓には絶対行きたい!」と何度も言っていたので、一緒に訪れた際には、「意外と大したことなかったね笑」などとお互いに笑い合いました。
そして、ずっと行きたいと思ってその気持ちを忘れなければいつかこうやって訪れることができるということを実感できたのも、大きな希望になりました。
また、実際のメインの目的地が期待はずれでも、そこに辿り着くまでの旅路の中で素晴らしい経験がたくさんできました。ついでに寄った倉敷の美観地区や、岡山のグルメ、ふらっと立ち寄ったカフェなど、さまざまな素晴らしい体験ができました。なんだかこれって人生にも似ているなと思いました。
例えば、部活動で優勝を目指して、たとえ優勝できなくても仲間と一緒に苦楽を共にした思い出自体が報酬になっていたりといったような経験はおそらく多くの人にあるかと思います。
何か目標や期待を持って旗をたて、その目的の実行に向け動いていくということは、その中のプロセスにこそ価値があるんだなと気づけた旅でもありました。