90年代のJ-POPが忘れられないあなたへ -デジタル化する音楽市場①-
おばちゃん臭いタイトルを思わずクリックしてしまったそこのあなた!きっと私たち、お友達になれると思います。あぁ、90年代縛りカラオケがしたい…。今日は、日本と世界の音楽シーンの今に迫りたいと思います。
”あのころ”が忘れられないわたしたち
ドリカムとミスチルがミリオンセラーを飛ばし、街にアムラーが溢れていたあの頃。JKだった私も、カラオケでSPEEDを熱唱していました。シブヤ系なんてのもありましたね。
あのころのあの曲が忘れられないのは、なぜなのでしょうか。
青春の甘酸っぱい思い出が思い出されるから。
新しい音楽を探す気になれないから。
歳を取ると昔のことを懐古してしまうのは、人間の性なのかもしれません。
"あのころ"はギョーカイ全体が潤っていた
音楽業界のみなさんも、”あのころ”を忘れられないのではないでしょうか。
日本レコード協会によれば、1993年から2001年まで、音楽ソフト・有料音楽配信の売上高は、年間5000億円を超えていました。現在(2017年)は、3000億円を切っており、最盛期(1998年)の6075億円の半分以下です(図1)。あぁ、日本の失われた20年がここにも。
世界に目を移してみると新しい発見が
ここで、世界の動向に目を向けてみましょう。
国際レコード連盟(IFPI)のレポートによれば、世界も日本と同じように、1999年から2014年まで縮小傾向にあったことが分かります。しかし、ここ3年は連続して増加し、現在(2017年)は最盛期(1999年)の約7割まで回復(図2)。
地域別に見てみると、勢いがないのは日本だけ。同レポートでは、「デジタル音楽配信の伸びがゆるやか(8.0%)であったため、CD等有形の音楽ソフト販売の減少(-6.1%)を埋め合わせできず、全体として3%の縮小」と説明されています。日本は、世界第二位の市場規模にも関わらず、「中国はデジタル音楽配信が伸び、全体で35%の伸び」といった他国の数字の影に隠れてしまっているのです。
…もう"あのころ"に戻ることはできないからこそ、華々しい時代よもう一度。復活のカギは、世界ではすでに定着したと言ってもいい「デジタル音楽配信(ストリーミング)」にありそうです。次回は、デジタル音楽市場がもたらす私たちと音楽の新しい関係を考えてみたいと思います。
ごきげんよう♡
図1:有料音楽配信は伸びるが総額で減少続く…音楽CD・有料音楽配信の売上動向をさぐる(不破雷蔵)
https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20180412-00083757/
図2:IFPI Global Music Report 2018
https://www.ifpi.org/news/IFPI-GLOBAL-MUSIC-REPORT-2018