【自作小説紹介】おとのさわりかた
第八作目
「おとのさわりかた」
【あらすじ】
季節は夏。
時期は夏休み。
ごくごく普通の男子高校生、神社 護(かみやしろ まもる)が滝宮駅で出会ったのはヘッドフォンから爆音を垂れ流している聴覚障害者、音失 おとせ(おとなき おとせ)だった。
おとせは聾唖である。
生まれつき音を知らず、言葉もたどたどしく、けれど〝音〟を知りたいと願う聴覚障害者。
これは、護がおとせを通じて〝聞こえない〟とはどういうことなのかを知り、考え、そうして人と人の付き合い方も学んでいくラブストーリー。
──〝盲〟はヒトとモノの繋がりを断ち切り、〝聾〟はヒトとヒトの繋がりを断ち切る── ヘレン・ケラー
※ラブコメ
紹介記事を書いてくださった方がいらっしゃいます🤗✨ぜひ、ご覧になってみてください!
yui-yuiさんのブログ
さらに!感想まで書いてくださいました🤗✨
yui-yuiさんのブログ
ありがとうございます!
【簡単な人物相関図】
サブキャラである神社鬩、真田羅斑、甘神いちずに関しては「憑訳者は耳が聞こえない」で出会いが書かれています。興味があればぜひ!
【紹介】
8作目です。
〝人間の言葉〟をテーマにした健常者の高校生と聴覚障害者の高校生による、「聞こえないとは何か」を突き詰めていく甘酸っぱい恋愛もの。
聴覚障害を取り扱う作品は多々あれど、人間関係に焦点を当てたものが多く、「聞こえない」について掘り下げられた作品を読んだことがなかったので書きたい、と前々から考えていました。
わたし自身、聾学校育ちの先天性聾唖なのでその経験や得た知見と、教育実習などで訪れた様々な聾学校の在り方、それにこれまでに出会ってきた障害児を持つ家庭。色々なものを通して得た様々なことをこの作品に、ほんの少しだけ詰めました。
けれどあくまで「高校生同士の青春」がメインになっています。と、いうのもわたしは暗いのが嫌いで、コメディ要素を取り入れないと気が済まない性質(性癖とも)なので決して暗くはなりません。
それと、「障害者」と聞くと大変な生活をしているイメージを持たれやすく、そして実際にそういう作品が多いのですが…ぶっちゃけ、むちゃくちゃ苦労することなんて滅多にないです。障害者支援が充実している現代だとなおのこと。
楽しいことを普通に楽しんでいます。嫌なことからは普通に逃げます。
それを形にしたいと、こういう青春ものにしました。
小説のヒロイン、おとせのような聾唖児は珍しくなく、こういう聾唖児がどう成長するかは環境によります。
その環境を整える保護者と先生方に今一度、自分たちを見つめ直してほしいっていう願いもこの作品には込められています。
「聞こえない」とは何なのか。
そして「聞こえない」と向き合うにはどうすればいいのか。
そんな、「聞こえない側」にならなければ理解しようがないものを、「聞こえないわたし」が、「聞こえる人視点」で「聞こえる」を想像しながら書いています。
えらく矛盾してるよーに見えるかもしれまさんが、どれどれ聞こえてないのにちゃんと書けてんのか? って興味を持ってくださっても嬉しいです(笑)
この「おとのさわりかた」、まだまだ書ききれていないことが多いのでいずれ、続編を書きたいところです。
聾学校の中にもヒエラルキーがあるとか、生徒がほとんど介入せぬ文化祭とか。
知的障害や肢体不自由との重複を抱える子が在籍する重複学級とかは別作品「憑訳者は耳が聞こえない」で扱いますが、「おとのさわりかた」でも触れられたらなと思います。
これを機に、「聞こえない」に興味を持ってくださったらとても嬉しいです🤗✨
【いただきもの】
yui-yuiさんがおとせちゃんを描いてくださいました🤗✨ネコミミヘッドフォンかわいい!素敵なイラストをありがとうございます🤗✨
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