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置き去りにされた記録 第1章〜カウンセリングに来たきっかけ〜
私がここに来たきっかけはアルコール依存症の夫をなんとかしたいということで来ました。今までカウンセリングに行ったことがない夫をやっと説得して「二人で一緒にやるなら行く」と言ったので気が変わらないうちにと思って早速予約をしました。
ここを選んだきっかけは夫がアルコール依存症だと知り、いろいろ援助を受けているうちにカウンセラーの仕事に興味を持ち、カウンセラー養成講座に参加したとことで先生が来ました。
テーマはトラウマだったかな
その時の私は「私には大きなトラウマはないけど、大きなトラウマを持っている人って大変なんだろうな」と思いながら話を聞いていました。
その時にFAP治療のことを話していたけどよくわからなくて、でも「トラウマってなに?」って引っかかって先生のところにきました。
初めての夫婦カウンセリングではなんとか夫を2回目のカウンセリングにつなげようと必死で話しました。
お互いの話を聞いて先生が
「奥さんの緊張感が高いのでまず奥さんからカウンセリングを初めて、月に一度夫婦カウンセリングをやっていきましょうか」
と言われたのです。
お互い納得したのですが、「奥さんの緊張感が高い」と言われ私はものすごく胸がざわざわしました。
「なに? この感じ?」
こんな感覚ははじめてでした。
夫のアルコールの問題をあちこちで相談してきました。
アルコール依存症という病気を知るまでは本人の性格の問題だと思い、なんとかこの性格を直そうと思っていましたが、アルコール依存症という病気を知り家族教室に行ったり家族の自助グループにも参加してきました。
私はこんなに疲れ果てているのに誰も私のことをわかってくれません。
でも、本当は私が私自身のことを一番わかっていなかったのだと思います。
私ははじめて感じたこの胸のざわつきを知りたくてカウンセリングに通い始めました。
カウンセリングに来る少し前に私たちは別居をしていました。
夫はお酒を飲んだらいつ暴れるかわからないからいつも怯えていました。
その中での生活に疲れ、やっとの思いで決断して別居したところだったので夫と距離を置いて自分と向き合うのはいいと思いました。
私はずっと「私は大丈夫、強いから」
そう思ってきましたが、全然大丈夫じゃなかったんです。
ここにきてはじめて気づかされました。
FAP治療を受けて本当の自分を知っていくことは私にとってとても過酷でした。
つづく