棚田いっぱいに広がる れんげ草
私が生まれ育った場所は
お山がぐるりと棚田を囲む
村と呼ぶにふさわしい
土地でした
田んぼは子供たちの遊び場で
季節ごとにいろんな遊び方をしていました
春になると棚田一面が
れんげ草で埋め尽くされて
それはそれは美しい景色が広がりました
夢中になってれんげ草を摘み
両手いっぱいに大事に握って
母に何度も持って帰りました
れんげ草の絨毯の中でのピクニックは
春の楽しみの一つで
一枚だけ残っている写真は
ホワホワとした感じで花がぼやけたり
人を包み込むように写り込んでいて
妖精たちが飛び交っているような仕上がりです
初夏に入って田植えが始まると
稲刈りの時期になるまで
私たちは近寄ることができませんでした
道路でボール遊びをして
うっかり田んぼに落としたりすると
親からひどく怒られたものでした
大切に植えられた稲は
まるで神様のように扱われました
植えてくれた農家の方への感謝と
お米一粒一粒に農家の方の魂が宿っているからと
教えられて育ったので
稲穂が首を垂れて稲刈りが始まるまでは
田んぼはまるで神様が宿る神殿でした
たくさんのお米が育ち
竹を組んだ「稲架(と呼ぶのですね)」に
稲穂が次々と架けられていくと
子供たちはほっとして
再び田んぼ遊びを始まめます
稲架でかくれんぼとか
お正月には凧揚げをしたり
秘密基地を作ったり
色々上手に思い付いたもんだなぁと
微笑ましくなります
棚田の一番上から
ヨーイドン!と
横一列に並んで下の田んぼまで駆け降りる
棚田と棚田の高低差はバラバラで
高かったり低かったり
何度も何度も
一番下まで駆け降りたら
息を切らして
また一番上まで駆け登って
繰り返し競争したりもしました
何度やっても高低差を忘れて
高すぎるところを
えいやっ!と飛び降りて
あー、そうだったー!と
着地地点まで足をバタバタさせて
おへその下あたりがモゾモゾっとするような
スリルを味わったり
耳を澄ますと
あの頃の私たちの歓声が
聞こえてくるようです
アメリカでは新学期が始まって
3ヶ月ぶりに
子供たちがプレイグラウンドで
駆け回る歓声を聞きながら
今日は小さい頃の自分達の笑顔を
懐かしく思い出していました
あんな時間を過ごせたこと
幸せだったんだなぁ
☆あなたがあなたらしく 笑顔で過ごせますように☆
皆さんの心の平安をお祈りしています
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今日の日めくりカレンダーの言葉
「いつもと同じ 今日に感謝」
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