つつむ
どれだけ砂をかき集めても、指の隙間から零れ落ちるように、君と繋いだ指先は、きつく結んでも解けていく
僕らはそっと、そしてふんわりと、互いの気持ちを遠くに捉えている
傷つくことを恐れて、傷つけることを恐れて、知らないところで涙を流す
優しさが、届かない
お互いに
この距離は、時には必要で、時には不必要
悲しみは、時には手放してもいいのだと
そしてそれを恐れる必要がないことを
僕らは知っていただろうか
君が悲しみに暮れているとき、僕は君に伝えようと思う
僕らはきっと、どんな距離でもやっていける
だから、涙を拭いなよ
悲しみと喜びをひと粒ずつ交換して
喜びが増えたなら
花に降った朝露が、陽の光で輝くように
悲しみのない笑顔になるかもしれない