やわらかな朝
外は柔らかく穏やかな日のような気がしている
窓から入る光は明るく、刺さるような暑さもない
そんな麗らかな日に
君は台所の丸椅子に体育座りをして顔を埋めている
そんな君を背に、僕はお湯を沸かして紅茶を淹れる
君は、ミルクかレモンかストレートか
聞きたい気持ちを、そっと閉じ込めて
どれでも好きなものを飲めるように用意する
君と丸椅子の高さはちょうど半分ずつくらいだな
抽出を待つ間にそんなことを考えていたら
君はとても不機嫌そうに顔を上げた
まつ毛にはまだ小さな雫が残っている
マーマレードで。
そう言って膝の上に組んだ手に顎を乗せて
ヒックと泣き止んだ最後の一声を上げた
僕は窓を少し開けてから、ママレードを手にした
そして内心、マーマレードとは!と驚いた
君はまた、きっと元気になるだろう
悔しさも一緒に