つぶやき4ー初めてのマイカメラ
人生で初めて、使い捨てではないカメラを購入したのは二十一歳になろうかというころ。仕事帰りに街のカメラ屋さんに寄って、ガラスケースに並んだカメラを見ていた。所狭しと並んだガラスケースの中は、カメラと値札の位置関係が一致せずよく分からずにいた。
なんの気無しに店員さんを呼んで、ガラスケースに並んだカメラを指差し
つ「このカメラの値段はこれですか?」
店「あ、そのカメラでしたら◯◯円で良いですよ」
つ「じゃぁこれをください」
――“そうではなくて……”とも言えずにそのまま買って帰ったカメラがポラロイドカメラである。
約27年前のカメラ。昨日久しぶりに取り出して触っていたら、なんとフィルムが入ったまま。ポラロイドカメラはフィルム側に電池のようなものがあるので、カメラ自体に電池は必要ないけれど、なにせ古いフィルムなので一瞬生き返ったけれどそのまま終焉を迎えたようだった。このまま防湿庫で私の終焉まで共に暮らしてもらおうと思っている。
1cmほど繰り出してそのまま止まってしまったフィルムを、カバーを開けて引っ張り出す。すでに感光させてしまっていたので、写るもなにも、の状態。
ポラロイドカメラは、フィルムを取り出してから写し出されるまで振ってはいけない、と本体を持って初めて知った。
まだ本体の中には数枚のフィルムが残っているが、使えそうにはない。
もう、メーカーが製造していないフィルムなので、本体を使うこともない。
次は、カメラにハマっていった話を書きたいけれど、実はあまり記憶がない。当時は二十代で、今はその時のことを“暗黒時代”と呼んでいるのだけど、まぁ人間そんな時代も過ごすよね、という思考回路の時なので、なんとなく書けると良いな。今では、そんな時代もあったねといつか笑って話せるわ、のいつかに辿り着いたけど笑笑笑