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息子がM-1に出ると言い出した
昨日の夕食のひととき、何気ない会話の中で、高校1年生の息子が言った。
「今年M-1に出ようと思ってるんだけど、初戦の時期がハイスクールマンザイと被ってるんだよね。でも両方エントリーできるよね?」
両方エントリーできるかどうかはわからないが、できそうではある。
え、でもちょっと待って。
待て待て待て。
「ネタはどうなってる?」
大丈夫なのか?
M-1にひっさげて行けるレベルのネタはできているのか!?
エントリーは6月だ。全然時間がないぞ。
「今相方の2人で作ってる、ちょっと見てほしい」とネタの相談に乗ることに。
私は芸人でも何でもない一般人だけど。
息子がM-1に出たいと言うのは特に驚かない。
いつか言うだろうなくらいに思っていた。
息子は小さい頃から私と一緒にM-1を毎年見て、擦り切れるほど何度も見返している。
と同時に息子が幼稚園児のときからお笑いライブや吉本新喜劇に積極的に連れて行き、一緒に大笑いしてきた。
ただ私が見に行きたくて息子を連れ回していただけだ。
おかげさまで息子はお笑いが好きな子になった。
実は今までもネタ相談のやり取りは何度もあって。
遡れば息子が小学6年生のときは「卒業前のレクリエーションで何か出し物を友達と2人でやる」と言うので「漫才しかないだろ」と一緒にネタを考えた。
中学の修学旅行では、宿での演芸大会的なものに出るというのでコントのネタを一緒に考えた。
中学卒業時のレクリエーションもコントのネタ調整を少しだけ手伝った。
学内というあたたかい世界というのも手伝って、どれもみんなたくさん笑ってくれたそうだ。
笑いを生み出す楽しさを彼は知っている。
そして息子は成長し、M-1とハイスクールマンザイにエントリーしようとしている。
子供の成長とは早いものである。
感慨深い。
うちの息子は、ザ芸人というタイプでは全くない。
コミュニケーション能力は高いが、内向的で、落ち着いている。
私よりはるかに落ち着いている。
ざっくり言えば陰キャだ。
常に頭の中で面白いことを考えては具現化できそうだ、と思ったらそれを映像化してみたり、演劇の脚本にしてみたり、そんなアウトプットが趣味の不思議な子だ。
相方は小学6年生から一緒に漫才やコントをしてきた長い付き合いの親友。
見せてもらったネタもちょっとおもしろい。
少し期待してしまう。
だがしかし。
M-1はプロの芸人が人生をかけて出るステージだ。
と言うとことは、君はプロの芸人さん以上の努力をしないと、同じステージに立つなんて無理だ。
芸人をリスペクトしてやまない君のことだから、きっとわかってると思うけど。
これから毎日、昼休みに廊下でネタ見せだな!
応援してる、手伝えることはなんでも手伝うから言ってね。
「M-1エントリー、2000円かかるんだよね」
あー、それじゃあ、それは、相方と1000円ずつ払うことになるね。
息子はちょっと肩を落としていた。