第118回「読書のすすめの落語のすすめ」ありがとうございました
過日9月6日、江戸川区篠崎「読書のすすめ」での毎月一回の落語会「読書のすすめの落語のすすめ」に、足をお運びいただきました皆様、誠にありがとうございました。
三遊亭全楽師匠の一席 「欠伸(あくび)指南」
「欠伸指南」は、欠伸の仕方を習う稽古!?
“えーー!!、ありえないでしょ!!”
と思いつつも、その世界に引き込まれ、日本人の情緒にふれていく。
四季折々の風情の中で、春には春の、秋には秋の、その季節のその風情の中のあくびがあるという。
習うのは、涼を楽しむ舟の上での夏のあくび。
舟にゆらゆら揺られ、涼やかな川風に吹かれ、のどかな景色の中で思わず出るあくび…
この噺は、季節の風情を感じて楽しむ、そういう稽古かもしれませんね。
また、何気ないあくび一つを面白可笑しく噺にしてしまう落語の妙味と、違和感なくその愉快な世界に引きこむ全楽師匠の妙技に感動しました。
三遊亭神楽師匠の一席 「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)より豊志賀(とよしが)の死」
明治に三遊亭圓朝師匠によって創作された怪談噺。
この怪談噺は長い物語で、高座では長い物語の一部分を切りとって演るという。
また江戸時代には、庶民の娯楽として毎日寄席が開かれていて、「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)」は、連続ドラマのように演じられたといいます。
歳の離れた男女の愛憎劇、座布団一枚の上の世界で繰り広げられる「豊志賀(とよしが)の死」は、恋仲のバラ色から、激しい愛とやきもちや嫉妬の深紅へ、そして怨み憎しみの漆黒へと、人間の性(さが)の色が刻々と変わっていく。
「真景累ヶ淵」は、現代でいうところのサスペンスドラマでしょうか、
人間の性(さが)は今も昔も変わらない、地獄へと落ちてゆく。
そして、背筋が凍りつくような最後の場面へ…
神楽師匠の、静かな張りつめた語り口が、よりいっそう情念の炎を目の前に燃え上がらせます。
そして、恒例となりました前座!?の、トリーマンによる野生のアコーディオン演奏は、今回お休み。
ファンの方々は、人は必ず成長できる!!という希望の光を聴けず、とても残念がっていました。
「読書のすすめ」私からの本のおすすめは、
『知と熱』藤島 大著。
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=176642024
これは、時代が変わっても変わらない人として大事なことを伝える“縦糸の読書”をおすすめする「読書のすすめ」が、
数ある本の中から毎月一冊を選び、清水店長の解説と聞き手・スタッフ小川さんの解説動画・音声・解説書(6ページ)を、本と一緒にお送りする「成幸読書」の9月号です。
「成幸読書」頒布会は17年の歴史をもち、『知と熱』は210号になります。
時代にのみ込まれず、見方考え方を縦に仰ぎ、生きる力を呼び覚ます、そんな先人からの手紙が “縦糸の読書”で「成幸読書」です。
清水店長は、今の世界・社会・人間の現状を鑑みて、進むべき未来への羅針盤を、“縦糸の読書”の中から伝えています。
以下、「成幸読書」210号『知と熱』の解説動画の清水店長の言葉より。
『知と熱』は、戦後ラグビー界の伝説の指導者 大西鐵之佑氏の生涯と思想・哲学に、スポーツライター 藤島 大 氏が迫ったもの。
大西氏は、徴兵された戦場において、普通の商店主たちが捕虜への人間扱いしない虐待を見て、理性などあてにならず、簡単に吹っ飛んでしまうことを目の当たりにした。
そういうことから、戦場から生還して、ラグビーを通した人間育成に尽力された。
スポーツで、研究や戦略という“知”と、頂上を目指す“熱”と、その両方でギリギリまでいく“際(きわ)”にこそ、本物があると。
成長の歓び・人として大事なことと、キタナイ・ズルイといった恥ずかしいことが、身につく。
勝てばいい、効率的に、といった西洋思想にのみ込まれないよう、
知と熱で激しくぶつかり合って、人の倫(みち)理(ことわり)を掴むという、スポーツを通した人間育成です。
そのためには「準備」が大事で、それが鍵になります。
その「準備」が、“縦糸の読書”をすることや、知と熱をもってバンバン壁にぶつかっていくこと。
現代の日本人も、法律や規則の外から押しつけられた倫理と道徳にどっぷりと浸かって、知と体験から内側から沸き上がって掴んだ、という躍動がありません。
知と熱の“縦糸の読書”で人間の頂きを目指し、準備を積み重ね、知と熱でぶつかる闘争で掴むもので、
共に、しっかりと背骨を立てていこう。
「成幸読書」頒布会
https://pro.form-mailer.jp/fms/e4fbef2a283451
『闘争の倫理』大西鐵之佑著
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=176346056
次回「読書のすすめの落語のすすめ」は、
リアル会場&オンラインZoomで、
10月18日(水)19:30~21:00
11月8日(水)19:30~21:00
(11/8は第120回.10年記念の会)
皆様のご参加を心よりお待ちしております。
「読書のすすめの落語のすすめ」
https://note.com/tsubaki3103/m/mde19e3b06f83