第116回「読書のすすめの落語のすすめ」ありがとうございました
7月19日晩、第116回「読書のすすめの落語のすすめ」に足をお運びいただきました皆様、誠にありがとうございました。
三遊亭全楽師匠の一席「啞(おし)の釣り」
殺生禁断の上野のお池で、鯉を密漁し一儲けしようとたくらむ七兵衛さん、与太郎を連れて不忍池へ。
見回りの役人に見つかった時、病気の父親に食べさせるためと、慈悲をほだす嘘を準備していたが、七兵衛さんはとっさに声が出なくなって、身ぶり手ぶりで嘘の言い逃れを…
三遊亭神楽師匠の一席「てれすこ」
誰も見たことも聞いたこともない魚があがった。お役人は、その名を知っている者に百両の賞金を出す、と。魚の名前を名乗り出た者に百両が渡されるが、その虚実が誰もわからず、役人は智恵を絞りそれを究明しようと…
落語は座布団一枚の上の宇宙。何もないから何でもできる、想像力で無限に広がる世界です。
高座の師匠の、顔の表情や身体の動きの向こうに、時空を超えた人間が泣いたり笑ったりしてイキイキ躍動している。
私の目はそれに釘づけ、頭の中はその人たちの姿でいっぱいになる。
私の耳は、調子のよい日本語のリズムに、心の中は心地よさでいっぱいになる。
私の頭と心は、その想像とその音色でいっぱいになり、
“暑くてしんどいなぁ”、“あれはどうしよう”、“これはどうだっただろう”、
そんな煩悶はすっかり押し流されて、わがまま身勝手な自我は空っぽになる。
時空を超えた想像の世界、
座布団一枚の上の宇宙に、遊ぶ。
そんな時間が、私たちには必要で、そしてとても大事と、深く深く頷きました。
そして、落語の前座の、トリーマンによるアコーディオン演奏は、「道」(イタリア映画の曲)。
トリーマンの人間性のように、荘厳と哀愁が会場を震わし、心に沁み通ってきました。
ありがとうございました。
その前に、「読書のすすめ」から私がおすすめさせていただいた書籍は、
日本人の情緒である宗教も倫理も道徳も薄れてしまった現代、私達を動かしているのは世の中の“空気”、その正体は?
「新装版 日本教の社会学」 山本七平・小室直樹 対談
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=174756222
戦後ラグビー界の伝説の名指導者が、1987年に出版した思想・哲学の名著。
早稲田のラグビー部時代に大東亜戦争に。戦場において既存の理性は打ちのめされ、生きるか死ぬかのせめぎあい中の直感こそが本物の倫理、という体験をもとに、
スポーツに、商業ベースに乗せないアマチュアリズムの、純粋な精神性を極めて、戦後のラグビー界を牽引した伝説の名指導者の書。
「闘争の倫理」 大西 鐵之祐 著
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昭和25年出版。第二次世界大戦敗戦後に民主裁判の礎を築いた初代最高裁判所・長官 三淵忠彦が、人としてどうあるべきか、何を大切にするべきかをつづったエッセー。
私達に薄れてしまった宗教・倫理・道徳の、日本人の情緒がここに。
「世間と人間」 三淵 忠彦 著
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今、心の向きをちょっと変えると、未来はその先にあり懐かしいものとなる。今、心の向きをちょっと変えると、変わる礎になった過去の出来事は新しく、意味を転じる。
「続・宇宙のカケラ 物理学者の詩的人生案内」 佐治 晴夫 著
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=175499998
次回の「読書のすすめの落語のすすめ」は、
8月9日(水)19:30~
9月6日(水)19:30~
自己中の頭を空っぽにする落語、
いろいろな風が入ってきますよ。
ぜひ足をお運びください。
Zoom参加もできます。
「読書のすすめの落語のすすめ」ご紹介ページ↓
https://note.com/tsubaki3103/m/mde19e3b06f83
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