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御礼 第107回 「読書のすすめの落語のすすめ」

先日、毎月一回の「読書のすすめ」での落語会、三遊亭神楽師匠と兄弟子の三遊亭全楽師匠の豪華な二人会「読書のすすめの落語のすすめ」107回に、ご参加いただきました皆様、Zoomでご参加いただきました方、ありがとうございました。

三遊亭神楽師匠の一席は、「町内の若い衆」

熊さんが兄貴分の家に建て増しの祝いに行くと、あいにく留守、熊さんがこんな立派な建て増しをする兄貴はえらいと誉めると、よく出来た女房の口からは感心する言葉が…
熊さんは、友だちに自分の家へ行って自分を誉めてくれ、と頼み、女房がどんなことを言うか…


三遊亭全楽師匠の一席は、「明鳥(あけがらす)」

大店のせがれ時次郎は、本ばかり読んでいるおくてな真面目男。
あまりに堅物なので、町内の札付きの遊び人が、時次郎を騙して遊びに連れ出し、世俗に放りこみ、何とかやわらかくしようと画策する…


今回私が「読書のすすめ」からお薦めさせていただきました『歩きながら考える』、著者の漫画家・文筆家・画家のヤマザキマリさんは落語好きということで、こう書かれています。

“落語の良さは噺の面白さに耽溺できるだけではなく、あの巧みな話術を頭のなかにしみこませることで、それまで混沌としていた自分の考えを瞬時に言葉に換えるスキルを高める効果があります。人の声の音楽的なリズミカルさは心地いいですし、洒落や冗談が自然な形で話の中に溶け込んでいるのも、頭にとても良い刺激になります”

まさに私も、落語の日本的な心地良い拍子に、トントンと心が運ばれていき、心がすうっと流れるのを感じています。

また、私の四角四面な心を、落語で語られる冗談や洒落が、円くしてくれるのを感じています。

外国での暮らしが長いヤマザキマリさんの目を通すと、日本人がいかに視野や価値観が凝り固まっているか、この『歩きながら考える』には “幸せの形は一つではない” ことがちりばめられています。

例えば、日本はエンターテイメント(人々を楽しませるイベント)が多く、イタリアのローマやミラノの大都市でも、日本ほどイベントはないという。
その理由として、イタリアなどの家庭の食事では、親戚関係など大勢が集まってワイワイと、中には意見の食い違いで喧嘩にもなり取っ組み合い寸前までなるそうで、自分をその時々で出しきっていて溜め込まない。

日本人は空気をよんで忖度し、本音を肚に溜め込んでしまう。それを発散するのが、お祭りや演劇やコンサートなど、心が一つになる恍惚感のエンターテイメントだと。

言われてみればそうかもしれませんね。今回の落語会にお集まりの皆さんも、当たらずとも遠からずでは…

いずれにしても、

それぞれの何かを吐き出して、心が一つとなって、
滞った心は声の調べに乗せられて流れてゆき、
洒落やユーモアで心が円やかになる落語、

こういう伝統話芸のエンターテイメント落語は、日本人にかなったものでしょう。

そして、前座の長崎は星降るイノシシ村出身のトリーマンによるアコーディオン演奏、曲は「銀河鉄道999」に、心が地上を飛び立ちました。

『歩きながら考える』ヤマザキマリ著
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=170565589

『地球、この複雑なる惑星に暮らすこと』養老孟司・ヤマザキマリ対談
https://dokusume.shop-pro.jp/?pid=170824460



次回11月の「読書のすすめの落語のすすめ」は9日(水)です。

なお12月は、例年通り大晦日夜の開催です。

🌟毎回Zoom参加可能です。ご家族でどうぞ❗)

「読書のすすめの落語のすすめ」
https://note.com/tsubaki3103/m/mde19e3b06f83


もう帰られた方もいますが懇親会風景

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