脱炭素情報#18 トランジション・ファイナンス(石油分野ロードマップ案)
今回は少し前に委員会が開催されていた中で、気になっていたものについて記述していきたいと思います。
先月1/27にMETIにて、「第6回 経済産業分野におけるトランジション・ファイナンス推進のためのロードマップ策定検討会」が開催されておりました。
もうすでに最新の第7回も2/7に開催されているようですが、第6回においては石油分野が含まれた議論になっていたようなので、こちらを見ていきたいと考えております。
トランジション・ファイナンス(石油分野ロードマップ案)
1.トランジションファイナンスとは
そもそも「トランジション・ファイナンス」というものが何かわかっていなかったのですが、資料3の趣旨紙を確認してみると、これは産業界の脱炭素化に向けた資金調達のことを表しているようです。また、本委員会の意義としては、その転換への取組や戦略は分野別に異なることから、各産業におけるロードマップを作成するということのようです。
今回は資料6の石油分野のロードマップ資料を見ていきたいと思います。
2.石油分野ロードマップ案(委員会資料)
まず、P11に石油分野の脱炭素の方向性に係るスライドがありました。
石油分野全体を鑑みると、主な排出源は石油等製品の燃焼によるものであり、原油処理についても取り組みを進めていく必要があるというような記載になっておりました。
これは大きなトレンドとして誰もが認識している通り、化石燃料から水素、アンモニア、バイオ燃料等の非化石燃料への転換を進めていくことが世間的に必要ということかと思います。
P28にはロードマップ案に係る記載がありました。大きな形で捉えると2030年までは準備期間であり、そこから先は商用化という感じでしょうか。
2022年現在で考えると省エネ、燃料転換、再エネ導入、水素ST整備、バイオエタノールとなっており、確かに取り組みを進めているかと思いました。その一方で、2030年以降に記載されているものを進めるためには相当な準備が必要な印象をもちました。
個人的には、このようなロードマップが出てくるのは「カーボンリサイクル技術ロードマップ」以来のような気がしており、スケジュールが見えるような形は重要であると感じました。
全体を通して見てみましたが、資金調達のためにどのような制度が必要といったような記載はされておらず、ロードマップ策定後にそのような議論になっていくのかなというような印象をもちました。
今回はここまでになります。引き続きチェック頂けますと幸いです。