再エネ#4 日本の再エネ導入ポテンシャルと課題②(揚水発電 vs 蓄電池導入)
今回は以前記載した内容に追加となるような情報を記述したいと思います。
本日1/16の日経の記事にて、以下内容が記載されています。
以前以下の記事の結びにて、施策のひとつとして、蓄電池の導入とともに余剰電力で揚水していくことが必要なのではないかと記述しました。
残念ながら揚水発電所の設備稼働はフル稼働となってしまっているようです。
日経の無料で読める部分においては系統の設備増強を電力会社がためらっており、蓄電池の導入を進める必要がある旨の記載があります。本文中にもコストに関する記載はあるのですが、今回は政策資料をみながら個人的な視点においてコスト比較を実施してみたいと思いました。
日本の再エネ導入ポテンシャルと課題(揚水発電 vs 蓄電池導入)
1.揚水発電のコスト
揚水発電のコストについては日経の本文内と同じ参照になりますが、科学技術振興機構(JST)にて試算がされており、23円/kWhとのことです。以下が該当の文献になります。
2.蓄電池のコスト
一方、蓄電池のコストも追ってみたいと思います。NEDOにて2013年に二次電池技術開発ロードマップ2013が策定されていますが、少し古いかと思いますので、違う資料を探してみました。
経済産業省の第4回定置用蓄電システム普及拡大検討会において、検討会結果とりまとめ資料に家庭用、業務・産業用蓄電システムのコストに関する記載があったので、こちらの数字を引用したいと思います。(三菱総合研究所の資料のようであり、直接引用していいか不明確であったため、資料の引用表示は控えます)
上記資料のP122には価格等のとりまとめがなされており、家庭用蓄電池は18.7万円/kWh(2020年)、7万円/kWh(2030年目標)で、業務・産業用蓄電池は24.2万円/kWh(2020年)、6万円/kWh(2030年目標)となっています。これらは工事費込の価格となっています。(両方のケースともに、補助事業データを用いた試算のようです)
3.コスト比較(揚水発電 vs 蓄電池導入)
今回は業務・産業用蓄電池のコストを用いて簡単に比較をしてみたいと思いました。(日経の記事内では家庭用でのコストに係る記述がされています)
揚水発電コストが23円/kWhに対して、業務・産業用蓄電池が24.2万円/kWhであると導入メリットはあまりなく、補助金を用いる形での導入促進か技術革新が必要であることが見受けられました。
また、二次電池にも様々な種類があり、現在モバイルバッテリーとして身近に用いられているリチウムイオン電池の他に、レドックスフロー電池やNas電池等もあり、このあたりの技術革新によるコスト低減にも期待したいところになるかと考えております。
今回はここまでになります。引き続きチェック頂けますと幸いです。