日経脱炭素情報#11 ウクライナ情勢の影響によるGHG排出量取引価格推移
だいぶ暖かくなってきて、春らしくなってきました。
ウクライナ情勢で世界は大混乱ですね。業務の関係でウクライナに数年前に行ったことがあり、中央広場の映像を見かけるたびに少し悲しくなりますね…。
今回はそのような世界情勢に関係して、日経にGHG排出量取引価格の変化に関する記事があったので、それを基に色々記述してみたいと思いました。
2月最高値より価格が2割低下とのことであり、日経の記事内には排出量の取引価格(先物)での価格の引用がされています。
ウクライナ情勢の影響によるGHG排出量取引価格推移
1.EU-ETSの取引価格について
レポートなどでは排出価格の月次推移についてはよく掲載されている印象がありますが、あまり価格を調べにいったことがなかったことに気づき裏付けを取りにいってみました。
普通に「EU-ETS price」では検索に引っかからず、「EUA Futures」と検索するようなほうが良さそうです。(EUAはEuropean Union Allowanceで排出枠のことのようです)
検索に出てくるどのサイトでみても変わらないと思いますが、2/8の価格が96.48€/t-CO2、3/11の価格が76.39€/t-CO2で確かに20%ほどの下落となっていました。
2.今後の世界のエネルギー利用の方向性について
日経の記事内でも少し言及がされていますが、今後どのような予測ができるかを個人的に以下のように考えてみました。
①ロシアの天然ガスの世界への供給は減少していきます。
②天然ガスの減少を補うため、石油や石炭の燃料価格が上昇します。→今ここですかね
③GHG排出量は燃料見合いでは排出量増加(経済要因としての景気悪化による排出量減少と天秤にはなります)
④非化石燃料への投資が、化石燃料関係への投資に一時的に少し傾倒する(もしくは原子力への投資でしょうか)
⑤エネルギー供給安定後、再エネや水素等への投資が再開
④の記述においては、「投資」というよりも「費用」の方がいいかもしれません。
今回考えてみると、私はエネルギー転換は非化石燃料を含むエネルギーのベースがしっかりとしたうえで実施されていくのではないかと思いました。個人的には、脱炭素関係への投資は一時的には減少してしまうのではないかと思いますが、エネルギー供給がある時点で一定の安定化を見せた際に、長期的には投資が戻ってくると考えていいのではないかと結論付けました。
今回はここまでになります。委員会資料を見ていくのではなく、論述する形になりました。(他の方の内容をみていると、それが本来のNoteの活用の仕方である気もします…)
引き続きフォローいただけますと幸いです。