水素#2 水素の色分類と今後のポテンシャル
最近では、日経等のニュースを見ているとブルー水素やグリーン水素などの言葉がここ1年多く出てくる形になりましたが、どのような水素なのでしょうか。また、現在と今後はどのような色の水素が重要なのでしょうか。そのあたりをちょっとまとめてみたいと思いました。
水素の色分類と今後のポテンシャル
1.水素の色分類
最初に水素に色付けをしたのは、ドイツ政府の資料である「The National Hydrogen Strategy」だったのではないかと考えております。
色分類とは記載してますが、勿論特に水素自体に着色されている訳ではなく、製造方法の違いにより分類がされています。
以下それぞれの水素分類と簡単な説明になります。
グレー水素→天然ガス等の化石燃料由来の水素
ブルー水素→化石燃料由来の水素だけど、排出CO2はCCSで圧入
グリーン水素→再生可能エネルギー電力由来の水素
ターコイズ水素→メタンを分解して製造した水素
グレー水素、ブルー水素、グリーン水素の考え方は、資源エネルギー庁のHP内の図がとてもわかりやすいです。
これ以外にもイエロー、ブラウン等の水素もありますが、現時点では上記4つを知っていれば問題ないと考えます。
2.世界の水素の製造原料の現状と今後
それでは現状、そして将来の水素の製造原料はどのようになっていくのでしょうか。IEAより2021年10月に「Global Hydrogen Review 2021」という水素の情報量がかなり多めな資料が発行されており、最新状況について確認していければと考えております。
上記資料のP108には2020年の水素の製造原料が円グラフの形で記載されています。現在は化石燃料由来が約8割(CCUS無しの天然ガス由来約6割+石炭約2割)で、副生水素が約2割となっているようです。副生水素は主に製油所でのナフサの改質と記載されていました。
上記より、当然ですが現状はほぼグレー水素ということになるでしょうか。
一方で、将来的な見込みはどのようになっているのでしょうか。同じIEA資料に参考となるようなグラフがありました。
各々の図は左側がAPS (Announced Pledged Scenario)、右側がNZE (Net Zero Emission Scenario)となっています。APSは発表されたシナリオが期限内に達成される想定であり、NZEは2050年にネットゼロを想定したシナリオとなっている。
注目したいと考えたのは右上図です。NZE想定の2050年には、黄色棒グラフのブルー水素(Fossil with CCS)が約200Mt-H2、水色棒グラフの電解水素(系統、再エネ)が約300万t-H2超となっています。
個人的には、2050年はグレー水素→ブルー水素→グリーン水素ときて、完全に再エネ由来の水電解で製造したグリーン水素の時代になりかけていると思っていましたが、ブルー水素も結構な割合が想定されているのには少し驚きました。
今回はここまでです。引き続き更新していきますので、見ていただけている方はチェックいただけますと幸いです。
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