脱炭素情報#2 COP26におけるパリ協定6条
世界の脱炭素を考えるうえで、パリ協定は大きな役割をもっています。最近では、COP26の開催においてパリ協定6条が話題になりましたが、いったいどのような内容だったのでしょうか。また、COP26においてはどのような決定がされたのでしょうか。そのあたりを少しまとめてみたいと思いました。
COP26におけるパリ協定6条
1.パリ協定の6条とは
パリ協定6条については、炭素市場エクスプレスの解説がわかりやすいと感じました。
6条2項が協力的アプローチ(cooperative approaches)、6条4項:国連管理型メカニズム(the mechanism)、6条8項:非市場アプローチ(non-market approaches)の3つの形にて解説が記載されています。
このような市場メカニズムに係る論点が、数年間の議論で決定していなかった状態でした。それでは具体的には6条におけるルールとして、どのような事項を決める必要があったのでしょうか。
2.パリ協定6条の課題
パリ協定の6条の課題は色々なサイトでまとめられていますが、以下EICネットの資料がわかりやすい形になっておりました。
課題は色々あるようですが、主には以下2点が論点だと感じました。
1点目は6条2項のダブルカウントの問題になります。例えば二国間クレジット制度(JCM)において途上国がGHG削減を実現した際に、資金を拠出した先進国に削減量分の移転が起こりますが、その際に先進国と途上国で二重計上となってしまう問題になります。一見先進国側の削減分になるのではないかと思われますが、議論においては合意には至らなかった経緯がありました。
2点目は6条4項のCDMのクレジットの取り扱いでした。京都議定書の際のクレジットをパリ協定の削減分に移管するべきかどうかが課題でした。
3.COP26による合意事項
それでは今年開かれたCOP26ではどのような合意がなされたのでしょうか。結論から述べると、COP26の6条ルールが完成したのが大きな成果となっております。
上記外務省ホームページでは、二重計上の課題については二重計上防止の方向性、CDM移管については限定的に認められる結果となった旨が記載されています。
今回はここまでです。引き続き更新していきますので、見ていただけている方はチェックいただけますと幸いです。
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