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それは当たり前じゃない、だからみんなで土を育てよっ
今年をざっと振り返る
あっという間の1年。
盛りだくさんだったな、今年も。
それを簡単に振り返ります。
1.フルーツコーンたくさん採った、食べてもらった!
7月末から9月下旬まで寝ても覚めてもトウモロコシ、トウモロコシ、トウモロコシ…。
亡霊のように朝起きて、収穫→選別→梱包→出荷→お客さんとのやり取り→寝る、みたいな(笑) これを淡々と繰り返す。
この間は半径5㎞からあまり動いてないかも。
今年も植える本数が増えてどうしようかと思っていたら、毎週いろんな方が苗植えを手伝ってくれ、収穫までいくことができました。
ありがたいことに、フルーツコーンを待っていてくださる方も年々多くなり、そのおかげで農園が支えられています。
何をどうお返しすれば良いかわからないくらい、感謝感謝です。
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2.ヒトツボ菜園
ヒトツボ菜園をはじめて2年目。
本格的なサービスとしてリリースしたのは今年からですが、どうなるか不安もありつつ、春からここまでやって来れました。
「お家で叶える ちいさな農ある暮らし」というコンセプトで、どこまで必要としてくれるか、喜んでもらえるものになるかドキドキでしたが、思った以上に良い反響を頂けて嬉しかったです!
皆さんの暮らしの一コマに小さなヒトツボ菜園が入り、土が身近にある生活が心地良いものになってくれたらと願っています。
実は、今年から佐久にあるレストラン「アル ソリーソ」の竹内さんもグループに参加してくださり、そのとき採れる野菜を使ってのレシピや調理のコツ、食材についてなどをシェフの目線から直接利用者の皆さんへ伝えてくれました。
そして質問にも気さくにお答え頂き、本当にありがたい!
ヒトツボ菜園に深みが出たというか、より農ある暮らしを楽しいものにしてくれました。
12月には参加者の皆さんとアル ソリーソさんで交流会もでき、お腹もお心も満たされました。
言わずもがな、料理最高でした!
来年はもっと皆さんの農ある暮らしを楽しくできるように、頑張りたいと思います。
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来年は季節ごとにやりたいね~、など妄想が膨らみます(笑)
3.井上さんの畑がすごかった
去年に農園の研修生として来てくれていた井上さん。
今年から本格的に農業を始められ、自然ガイドもされながら他にも多方面で大活躍!
公私ともにお世話になっている心強い存在です。
その井上さんの畑に夏に訪れたらビックリ!
わさわさ実るトマトやピーマンたち!
見るからに美味しそう。
正直自分の野菜より良いかも!っと思いました。
他の人の畑で野菜が元気に育っているのを見ているのが本当楽しくて。
あまりお酒は飲めないのですが、イスに座ってその野菜たちをずっと眺めながらお酒を飲みたくなりました(笑)
2年目でこんなにも土が育っているのなんて。
そう、ちゃんと微生物を生かした土づくりをすれば、2年目でもここまで来れちゃうんです。
自分以外の人が土を育て、大きな成果や喜びにつながった瞬間を見ているのが好きなんだなと、改めて思いました。
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隊長こと、井上さんの記事はこちら~↓
4.うちやまコミュニティ農園・農業複業化プロジェクト
これに関しては、他の方がいい記事をたくさん書いてるので、詳しいことはそちらをご覧ください(笑)
ひと言で言えば、心地良い。
安心できる整う空間、コミュニティです。
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その風景は誰がつくってる?
前述した通り、うちやまコミュニティ農園は自分にとってとても大切な場所になっています。
それは参加される皆さんが良い方ばかりなのはもちろんのこと、素晴らしい里山の風景があるからなのは間違いありません。
季節ごとに変わる美しい自然に包まれる間隔は何とも言えない喜びです。
コミュニティ農園に足を運ぶ時間が長くなるほど、身を持って一層感じることがあります。
美しい風景は当然のようにあるものではなく、誰かが作っているということです。
と同時に、簡単になくなってしまうものだということです。
ここ一帯は放棄地が広がる場所。
その一角をお借りし、時には開墾し、田んぼや畑をやらせてもらっています。
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畑や田んぼをやると、草刈りは重要な仕事の一つです。
時には田んぼに水を引くために水路を掃除したり、ゴミを拾ったり。
そう、何気なく見ている風景はそこで暮らしてきた方々が生み出し、守ってきたもの。
一面に広がる田んぼも、菜の花畑もそうです。
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農業は風景を作り出す職業だ、と言われたことがあります。
全部は守れないけど、この素晴らしい風景や自然を味わっている自分が、少しでもを作り守れる側になれたら。
そしてそのことに実感を持って気づける人が、少しでも増えてくれたらと思っています。
「いつも眺めている風景は、誰が作っているのだろう。」
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今から土を育て、種を播こう。それは守る力になる。
コロナ、ロシアのウクライナ侵攻…これが引き金となり、食糧事情が厳しくなっています。
世界各国で食糧の輸出を制限。
自国の食糧確保を最優先とした動きに変わってきています。
カロリーベースで7割近くの食糧を輸入に頼っている日本にとってとても厳しい状況です。
また化学肥料のほとんども輸入しているのですが、大きな取引先だった中国やロシア、ベラルーシなどからの輸入が激減。
日本だけでなく各国で肥料不足になっており、世界的な食糧危機も懸念されています。
農家は肥料の高騰に苦しい状況が続きそうです。
これは大規模農家も例外でなく、集約化して効率化を図ればコストが下がり生き残っていけると言われていたのに、そこも危うい状況なのは自分としてもショックなことでした。
いつも頭の片隅で感じていた食糧事情に対する不安が、ここまで顕著に現れ危機迫るものになってくるとは、正直思いませんでした。
大きな世界の流れは自分だけの力ではすぐに変えられません。
当たり前にあった食べ物は、実は当たり前ではなかった…。
そうなる日が来てしまうかも?
でも本当にそうなるかは正直わかりません。
コロナもウクライナ侵攻を見ても先を予測するのはかなり難しい。
じゃあどうしたらいいのか?何をしていけばいいのか?
自分の中の答えの一つは「土貯金」「微生物投資」です。
農作物を育てるのには土づくりが大事!
これはなんとなく理解している人も多いはず。
自分が思う土づくりとは、微生物が心地良く生きる環境をつくってあげることです。
それは雑草、落ち葉、もみ殻、竹、木…身近なものを使うだけでできてしまうのです。
すご~く簡単に言うと、草や木やもみ殻などを土に入れて混ぜるだけ。
それを微生物が餌にして増え、糸状菌を起点に、放線菌やら納豆菌やら乳酸菌やらが分解して栄養を生み出してくれます。
また野菜を植えたら、微生物と根がつながり、互いに養分を交換し合い共生関係が生まれで、勝手に野菜が育っていきます。
微生物同士もつながり、助け合い補い合い共生していきます。
ね、簡単でしょ?笑
もちろん、コツのようなものはあるので、そこはしっかり抑えておいたほうが良いですが、技術的なものはほぼいりません。
(※植物と微生物の関係について動画を貼っておきます。途中からになりますが、興味がある方はぜひご覧ください!)
ここで「土貯金」「微生物投資」の話に戻ります。
貯金と言ったのは良い土(微生物豊かな土)になるのは少し時間がかかるからです。
急にお金が必要になっても、それまで蓄えたお金があれば慌てることがない、と言った感じでしょうか?
あまり良い例えではないかな?笑
今度は投資に例えてみます。(あまり詳しくない自分が言うのもなんですが…)
今あるお金(微生物の餌)を少しずつベンチャー企業「(株)微生物」に投資していき、どんどんその企業が成長し、配当金が返ってくるみたいな。
しかもこの企業で働く社員は超優秀で、しっかり投資していくと必ずたくさんのリターンを返してくれるます(笑)
でもそれなりのリターンが返ってくるまで、ベンチャー企業の成長には少し時間がかかります。
だから早くに投資しておこう!と言うことです。
先がわからないからこそ、土貯金をし、早くから微生物投資をしていけば何が起きても慌てずにすみます。
ただ一つだけ重要なのは、知識だけでなく感覚としてしっかりと捉えておくことです。
要するにちゃんと体を動かして、体験として理解しておきましょうと。
体験すると見える世界がすごく変わっておもしろいですよ。
”「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要じゃない”
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自分の小さな畑を持ち、身の回りにある材料だけで土づくりをし、野菜を育てます。
来年から本格的にスタートさせようと思います。
またお知らせしするので興味ある方はぜひ~。
土を育てることは、自分を守り、家族を守り、周りの大切な仲間も守ることができます。
何より難しいこと抜きにして、すごく楽しいです。
植物が菌とつながり、その菌が他の菌とつながり、どんどん広がるように、
土を通してたくさんの人とつながり助け合うことができます。
未来に向けて一緒に土を耕し、種を播きましょう!
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こちらの記事はコワーキングiitocoのアドベントカレンダー2022に参加して書いたものです。
iitoco!! Advent Calendar 2022 - Adventar