YOSHIKOとKARAOKE
私のゆかいな仲間たちの中で、おそらく一番エンターティナーな友達が、同僚のYOSHIKOちゃんだ。
編集部が違う彼女と仕事でからんだことは一度もないのだが、家がめちゃくちゃ近所だったこともあり、帰りの電車の中で会うとそのまま夕飯を食べて帰ったり、休日に地元で著者さんと打ち合わせをしているYOSHIKOちゃんを見て「ファイティン!」と思ったりと、とても身近な存在として仲良くさせてもらっている。
私が引っ越してしまったこともあり、前のように頻繁にばったり出会うことはなくなったのだが、以前住んでいた街に、美容院があるので、私は髪を切りに行くたびにYOSHIKOちゃんに、「遊ぼう~」と声をかける。
昨日も迷いなく、YOSHIKOちゃんと約束をしていた。美容院を出て、「今どこー?」と電話をかけると、すぐそばにいると言う。道路の反対側を見てYOSHIKOちゃんを見つけ、私は爆笑した(マスクしててよかった)。
YOSHIKOちゃんは、ベレー帽をかぶり、ブルーのオーバーサイズのシャツ、紺のパンツを履いて、こちらに手を振っている。
こ、こ、これは!!!
ENHYPENのニキのコスプレ!!!
BTSの弟分で、YOSHIKOちゃんと私がドはまりしていたオーディション番組『I-LAND』で、唯一日本人メンバーとして選ばれた、マンネ(一番年下)、ENHYPENのニキがステージで着ていた衣装に激似!
(めちゃくちゃ説明臭い文章…)
私もこっそり、ENHYPENのJAYが着るようなダボダボのトレーナーとデニムを履いて、彼とおそろいのバケットハットをかぶっていたので、二人でニヤニヤしたまま、予約していたカラオケに直行した。
まだデビューしたてのENHYPENの歌を片っ端から入れて、私たちは本当に適当に、雰囲気だけで歌う。ところどころエンターティナー・YOSHIKOがポイントダンスを再現するので、私は腹筋が崩壊するかと思うくらい笑う。
適当ながらも、歌がうまいので、それも相まっておもしろい。
あっという間にENHYPENステージは終了してしまい、そのあと私は『I-LAND』で課題曲になっていたBTSの曲などを歌い始めたら、YOSHIKOちゃんはニコニコしながら次の曲を選んでいる。
YOSHIKOの選曲はJYPステージ!
これまた一緒にハマっていた『Nizi project』で、YOSHIKOちゃんに「誰推し?」と聞くと、彼女は迷うことなく「JYP推し」と答えるくらいJYPが好き。
新大久保で、JYPがプリントされた靴下を見つけ(おそらく無許可)、YOSHIKOちゃんにプレゼントしたとき、とても喜んでくれた。
YOSHIKOちゃんは、JYPことパク・ジニョン氏の歌を楽しそうに歌う(前回よりうまくなっている気がする)。
お互いの推しステージも終了し、次はだんだんレパートリーも増えてきた、藤井風ステージ。YOSHIKOちゃんは、レンタルチャリを借りて、藤井風を聴きながら、都会を疾走するのが好きらしい。
ここらでだんだんお互いに体力を消耗しつつあるので、しっとり&適当ステージになっていく。
なんとなくゆっくりめの曲を歌っていたら、
「チルってんなー」という、YOSHIKOちゃんのヤジがおもしろすぎて、また腹筋に負荷をかけてしまう。
少し体力が復活したYOSHIKOちゃんが、次に選んだのが、DA PUMPメドレー。ここへきてメドレー。恐るべしYOSHIKOの体力!
YOSHIKOちゃんは、本人映像のISSAに負けないくらい元気いっぱいにDA PUMPを歌う。めちゃめちゃ好きだったそうで、RAPの部分も完ぺきに歌う。
こんなに激しい曲を踊りながらほとんど一人で歌うISSAもすごいが、うちのYOSSAは、ラップまで一人で歌っちゃうのでもっとすごいと思う。
YOSHIKOちゃんは、私が歌ってる時も手を抜かない。
『Lemon』を歌っている時も、『香水』を歌っている時も、MV同様にバックダンサーとして踊り続けてくれる(結構うまい)。
そして終盤、YOSHIKOちゃん渾身の少年隊ステージが始まった。
「私、ハモリたいから主旋律歌って!」とオーダーが入り、なんとなくこの辺かな? という辺りで控えめに声を出すと、YOSHIKOちゃんはきれいにハモリながら踊る。
そして、間奏中に「最近、ニッキとかっちゃんがYouTube始めたんだよ~」などとマメ知識を出してくる。
「『仮面舞踏会』には、J-POPのダンスの基本がすべて入っている」
という名言までぶっ込んでくる。
私は、YOSHIKOちゃんが、『仮面舞踏会』と『君だけに』を熱唱している時、あることを思っていた。
「YOSHIKOちゃん、知ってる? あなた、ニキのコスプレしてニッキの歌、熱唱してるんだよ…」…と。
私たちは、3時間半、ぶっ続けで歌い通し、疲労困憊状態で、店を出た(YOSHIKOちゃんは、まだまだいける! という顔をしていた)。
あれだけ歌い踊り、笑いまくったので、お腹はペコペコ。
街は、緊急事態宣言明けで、どこのお店もにぎわっている。
いつも行っているお店も「さっき満席になっちゃったんですよ~」と断られる。
「あと30分早く切り上げて、お店探せばよかったね…。でも楽しかったから、あそこでやめるという選択肢はなかったよね」
と言いながら、別の店を探す。
何度か行ったことがあるワインビストロをのぞくと、「靴を脱いで上がる、お座敷席なら案内できますよ~」と言われたので、そこに入ることにした。
「ここでいいよね?」というと、YOSHIKOちゃんは、なんとなく気まずそうな笑顔を浮かべて「いいよ」と言う。
そして、靴を脱いだとたん、クールダウンさせているはずの私の腹筋に再び負荷がかかる。
YOSHIKOちゃんは、私がプレゼントしてあげた「JYP」の靴下を履いてきてくれたのだ。
もう、おもしろすぎて、写真をパシャパシャ撮りまくり、
「YOSHIKOちゃんと一生友達でいたい」
と思った。
歌って、踊って、笑って、食べて、呑んで、
また次の「YOSHIKO と KARAOKE」の会のために、髪を伸ばそう…と思うのだった。
今回のセトリも最高だったな!