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2024 はしりだしたい夏

人のプレイリストを聴くのが好きです。ごまんとある世界中の曲からその人がどんな曲を聴いてきたのか。ということは、どんなカルチャーの中で、どんな人の影響を受けて生きてきたのかということ。思想や性格、価値観エトセトラエトセトラが見えることもある。この曲を聴いていたとき、どんな人と一緒にいてどんな風景を見ていたのか、この曲が主題歌だったドラマ観てたのかな。この曲が好きだということはあれも好きだろうか?人と音楽の関係性は人の数だけ存在していて、それはその人の感情や状況によって常に移り変わっていくもので。人が音楽を聴くとき、そのとき置かれていた状況によって好みが決定されたり、そのときの状況が音楽によって深く刻みこまれたり。その音楽を聴くとき、そのときが驚くほど鮮明に思い出されることも多い。昔の恋人とよく一緒に聴いてた曲はもう聴けない、とか。そういう音楽経験を多かれ少なかれ経て、みんなプレイリストを作っているのかもしれない、とか思いながら流れてくる音楽に身を委ねてみるのです。知り合いのプレイリストもいいけど、ツイッターやインスタに流れてきた、まったく知らない人のプレイリストを聴くのも好きです。顔も性格も知らない、だけど確かにそこに想いを持って存在しているどこかの誰かの人生を、一瞬だけ生きられるような気がする。この音楽と一緒にどんな風景を見てきたのか、この選曲ということは、このバンドにこんな思いを持ってるんじゃないかな。想像は無限大。その人を音楽から知ることは、不思議で特別な音楽体験だと思います(もちろん音楽からすべてを知ったつもりになっちゃいけないと思うけど)。
さて、私のプレイリスト。古いのも今のも、日本のものも海外のものも、あらゆるボーダーラインを飛び越えて、夏に聴きたい曲を選びました。私はこの音楽を聴いて生きてきたのだから大丈夫、と思えるような、私を強く押し出してくれる曲たちです。すべてのプレイリストが手紙だとしたら、私のプレイリストはキャラクターものの便箋に濃い鉛筆で殴り書きされた手紙のよう。ベタで、それでいて想いが伝わって、迷いのない、みたいな。走り出したくなる衝動に駆られるような曲が多くて、「はしりだしたい夏」と名付けました。読んでくださってる方からしたらまったく知らない私の、夏曲たち。それを聴くことになんの意味があるんやと言われたら、何もないと思います。でも、ひとりでも聴いてくれる人がいたとしたら、それは不思議に嬉しいことです。

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