
くすぶりの話
置きっぱなしにしてきた2024年に。
(カバンなら置きっぱなしにしてきた高校に!!)
すみません茶番が過ぎました。
今回は「くすぶりの狂奏曲」の話を。
公開初日に観てきたというのに。
こういうのは鮮度が大事だというのに。
まとめるのになかなか苦労しました。
良ければ見てやってください。
「くすぶりの狂奏曲」とは
大宮ラクーンよしもと劇場で活動するユニット。
活動10周年を迎える「大宮セブン」。
当時は島流しと揶揄されるほど。
お客さんも0の状態でした。
そんな大宮セブンの初期メンバー。
タモンズに焦点を当てた映画になります。
感想まとめ
印象だったことを自分なりにまとめています。
偏り等ありますがご容赦ください。
① 音で緩急をつけている
力を入れているのが「音」だと思った。
緩急のつけ方にこだわりを感じました。
大宮での人の行き交いと喧騒。
車や電車の踏切の音。
この音が2人の焦燥を掻き立てている。
タモンズにとって段々とノイズになっていく。
当時賞レースに伸び悩んでいたタモンズ。
急にコンビ名を「つき」にしたり。
はたまたコンビからトリオになろうとしていた。
徐々に2人の間に歪みが出来てしまう。
歪みがあっても日常は普通に来るわけで。
2人を置いてけぼりにしてしまうような。
安部さんの自宅のシーンもすごかった。
生活音と会話のみで急に重みが増す。
現実の残酷さの見せ方が本当に上手い。
映画館だからこそ味わえる表現でもあるなと。
② 役者の再現度
セブンメンバーも評価していた演技力の高さ。
所作や佇まいが忠実に再現されていました。
この再現が作品を支えている部分であって。
根幹の要素に値するなと思います。
初めは当の本人たちが演技する話で進んでいた。
でもそれって本当に面白いのかとなったようで。
役者の方達は漫才かなり練習したのが伺えます。
劇中にはないがそれぞれネタを2本したとのこと。
終盤の大宮セブンライブのシーン。
実際のお客さん入れての撮影で臨場感が増す。
円盤化したらライブ特典映像として観てみたい。
副音声でコメントとかも良いかもしれない。
③ 空間の作り方
空間の作り方も秀逸だと思いまして。
例えば安部さんと根建さんの劇場内でのシーン。
安部さんと根建さんがベンチに座った瞬間。
カメラがゆっくり引きの状態になっていく。
2人しかいない空間を出していく様にやられた。
あの空間で安部さんの本音が引き出せるから。
消え入るような声に胸が締め付けられる。
自分の中でも印象的なシーンでした。
演者の掛け合いとカメラワークの技量。
如何にその空間ができるか試行錯誤があるなと。
④ 劇中歌
永瀬未留さんの歌もすごかった。
とても力強くて奮い立たせてくれる歌詞。
始めは弱々しくも想いが溢れてくる。
劇中での大波さんの背中を押してるような。
主題歌の「悪い恋人」も素敵。
夢を人に見立てる表現が良いですよね。
劇中のシーンと歌詞がリンクしてグッときます。
MV撮った無限大がなくなるのは惜しいな。
セブンメンバーもちらほらいます。
ヤクルト掲げる根建さんが眩しい。
⑤ 誰もがちょっとタモンズ
文田さんがコメントで仰っていた。
「誰もがちょっとタモンズなんです」
映画を観終えてこれに尽きるなと思った。
芸人に限らず誰もが経験し得ることなんだと。
何が正解なのか分からない。
もどかしさや苦悩があっても尚続けていく。
どんな結果であれど。
それは力になることは確かだということ。
いろんな人にとっての応援歌になる映画でした。
リソース一覧
色んな媒体で劇中の話が聞けるのでまとめ。
他にもあれば教えて下さると嬉しいです。
「タモンズの超熟成ラジオ」
和田さんをゲストに迎えた回。
くすぶりでの役者さんのお話が聴けます。
「囲碁将棋の神奈川県ディス・ラヴ」
劇中の制作秘話が聴けます。
多摩川で漫才練習するのは変態すぎる。
「GAGの細髭柴ch」
試写会終わりの感想会。
福井さんの着眼点が面白いのでオススメ。
「お笑いバックスちゃんねる」
タモンズとマヂラブのシャッフルトーク。
プロデューサーXの話とか聞けます。
過去の大波さんのNote読むとより入りこめる。
劇中のことが事細かに書かれています。
と、こんな感じです。
大々的にアプローチしても良いぐらいなのにな。
予算とか色々あるだろうけど円盤特装は何卒。
次回作は囲碁将棋メインで作って欲しいね。
歩道橋で不動産のネタしてくれ。
余談
根建さんを演じた俳優の柾賢志さん。
当方は前々から存在を知っていまして。
「Engawa Films Project」という映像制作集団。
実験的な映像活動をするユニットの1人なんです。
こちらも活動17年目。
長編映画の配給もされたりしています。
でもまさか根建太一役を担うとは。
確かに目鼻立ちとか似ているなとは思ったけど。
キャスト発表された時は思わず叫びました。
平たく言えば「推しが推しを演じる」状態。
こんな嬉しいことはないです。
40分弱の短編映画「能動的ニヒイズム」
柾さん主演で出ています。
噛み砕くには少々時間がかかるけども。
委ねるような展開に持っていくのが良い。
他にも短編映画いくつかあるので観てほしい。
気になる方は公式のYouTubeあるので是非。