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金沢ピープルファイル 002: 吉岡璋②

▶︎ 結果オーライ ◀︎
〈ヨコハマ機工〉の仕事はファスニング、つまり「打つ、締める、綴じる」のプロフェッショナルだということ。しかし吉岡さんの家業は本屋でした。四谷で営まれていた〈吉岡書籍株式会社(通称:吉岡書店)〉では販売だけでなく、出版も行なっていました。
吉岡さんはその3代目となるはずでしたが、そうはなりませんでした。そこには例えば山田太一が描いたりしそうなドラマがあるのですが、それはまた別の機会に。
「親の仕事は継ぐものだと思っていたけれど、もし本屋になっていたら新宿と銀座の間でどうなっていたかわからないだろうね。当然〈ヨコハマ機工〉という会社は存在しないし、奥さんとも出会っていなかっただろうから、子どもたちも生まれていなかったわけだ。だから親父には悪いけれど結果オーライ。でも気持ちの上では〈吉岡書店〉の商号を〈ヨコハマ機工〉に変えて受け継いでいるよ。それがぼくにとっての、親父に対する感謝の気持ちみたいなものかもしれない。そう考えると長いよね、(〈吉岡書店〉は)大正からなわけだから」

#竹内紙器製作所

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