Awich武道館に行った話
2022年3月14日、中田くんからラインが入った。
「お前Awich好きだったよね?いこうと思ってたんだけど、一枚余ったから一緒に行こうぜ。」
心臓が震えた。
なにせ私はAwichが大好きだ。その前に中田くんもAwichが好きだったとは驚きだった。当たり前のようにAbema配信でチェックしようとしていたところに、急な武道館の誘い、こんなに嬉しいことは無い。
だが一抹の不安もあった。
高校時代の同級生の中田くんは、地元で働いている。私は彼とは上京してから4年ほど前に一回会ったきり。それ以来一切音沙汰なしの中田くんとライブに2人で行くのは流石に手放しでテンションが上がれない感じもした。
高校の時はそれこそ仲良しだった、「裏生徒会」を名乗っていたくらい仲良しだ。ホームルームで担任が入ってくる前に、私の事をベランダに閉じ込め、ケタケタ笑っていた。そのままホームルームを終えたこともあった。(担任も狂っていた。)
口もすごく悪い。
授業中、1番前の席で私と隣の席。先生が喋っている時に私の方を向いて、「帰っていい?」ノーマルより少し大きい声でそう言った。先生は「ピクっ」となって、そのまま板書を続けた。聞こえてないふりをしていたんだと思う。
ファミレスに行った時も、店員さんが注文を聞き終わって下がる時に、「あいつ接客悪くね?①していい?」
お会計の時、レジ前で「高っ!」
こういうのを他人に不意に言われた時、人間は聞こえてないふりをする。
そんな私達が、大人になった。
どんな感じで会ったらいいんだろう。変わってたらどうしよう(私もだいぶ変わった気がする)。
ライブ当日
3月14日 15時新宿集合
中田と合流。彼は舐達麻のバダサイみたいなファッションで来た。バダサイかと思った。
服装は、まあそうだろうなという感じだったが、話してみると、高校時代のキャッキャした感じというよりは、落ち着いた雰囲気の喋り方になっていた。
やっぱり人は変わるんだ。でもその変化は私的にはどう接したら分からなくなる奴だった。
ライブ前に、原宿で買い物をしようとなった。
腰につけるチェーンが欲しかったらしく、裏原宿のそれっぽいお店で買い物をした。なかなか見つからない。
険悪とまではならないが、何軒見てもなかなか見つからないな〜って感じの雰囲気になった。
店員さん「よかったら、試着とかできますんでーーー」
店員さんに話しかけられて、「はい〜」みたいなことを言ったコンマ1秒後、中田は私の方を向いて言った。
「あの店員、①していい?」
その時私の心に大きな安心感が生まれた。
中身は、中田の中身は変わってない!全然変わってない!中田をよそに、勝手にテンション上がって、お店の中で大爆笑してしまった。
ところでライブ自体は、ものすごくよかった。Awichのキャリア、1つの終着点、そしてここからのスタート、その場にいられた事を心から嬉しく思えた。
ゲストもすごく豪華で、えげつない満足感。
物販がかなり並んでて、開演19:00になっても客が入場できずにいた。会場には、ずっと海外のヒップホップがBGM的に流れていた。私は、隣の中田の方を見て行った。
「姉さん、絶対に19:00には始めるって言ってたよね?」
中田は言った。「この曲止んで始まらなかったら、帰るね。」
曲が止んでも、ライブは始まる気配がなく、また海外のヒップホップが流れ始める。
中田「じゃあな!また遊ぼ!帰るわ!」
もちろん冗談。私はわかってる。高校の時の中田だ。とても大きな声だった。周りの客にすごい見られた。アリーナ1列目でかますボケではなかった。Awichも聞いてないフリするくらい…。
でもこの場所を選ばない感じが中田くんだよ!その時、中田の方がすごいスターに見えた。
ライブは結果的に2、30分押したが、1発目のあの曲でブチ上がった。
普通に泣いたし。
注: ①⇨殺
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