議事録検索で議員の減税発言をチェックしてみる(京都府下リンク集付)
■「約束」は守らなくていい…?
「政治家とは公約を守らない生物」
「政治家の公約は守られないのがアタリマエ」
「そもそも政治家の公約は破られるためにある」
……などと思っていませんか? あきらめていませんか?
そう思いたくなる、あきらめたくなる気持ちもわかりますが、それではいつまでたってもマトモな政治は行われません。
そもそも、「約束を守る」というのは、人間にとって基本的な道徳のひとつです。
まともな(普通の)社会においては、約束を守ることのほうが、本来、「アタリマエ」のはずです。
にもかかわらず、政治家だけは公約=有権者との約束を守らなくてよい、守らないのがアタリマエ、というのは、異常です。
これは、約束を守らない政治家自身はもちろん、それを許してきた有権者にも大いに責任がある事態です。
「そんなこと言ったって、どうしろってんだ(# ゚Д゚)」という声が聞こえてきそうですし、当方にも一瞬ですべてを解決する魔法の処方箋の持ち合わせがあるわけではありませんが……
時間をかけてでも、地味に、地道に状況を変えるためにできることはないか?
少しくらいなら提案できることもあるかもしれません。
それが「議事録検索」です。
■「約束」を守らせるために
一般論として、誰かに「約束」を守らせるためには、どうすればよいでしょうか?
まず、約束を取り付ける=言質をとることが必要なのは言うまでもありません。
が、その約束に一定の強制力を持たせるためには、万一その約束が破られた場合に、何らかのペナルティが与えられるようにしておく必要があるでしょう(民間の契約にも違約金などがあるように)。
そして、そのペナルティを発動するか否かを決定するためには、そもそもその約束が守られているかどうかをチェックする、具体的には相手の言動を監視する作業が、必要になります。
政治家‐有権者の関係においては、「公約」の提示そのものが「言質」になりますし、その公約が破られた場合にペナルティとして本来あるべきはずなのが、リコールや落選などになるでしょう。
(※問題は世襲の特権階級と化した大物政治家を落選させることが困難・事実上不可能であることであり、多くの有権者が「どうせ」と無力感にとらわれ、政治的行動をあきらめ、投げ出してしまう要因であるかもしれません。が、政治家のすべてがすべて「大物」というわけではありませんし、当落ラインすれすれの弱小議員もまちがいなく存在します。そしてそれら「小物」の存在も、議決における数合わせにとってはそれなりに必要であり、それら弱小議員を「狙う」ことで、有権者が政治的影響力を行使することも不可能ではないと考えます)
そして、公約が守られているかどうか、政治家の議会における発言や投票行動をチェックするために必要な作業のひとつが「議事録(会議録)」の閲覧です。
一口に政治家の言動といっても、日ごろの有権者との会合や、メディアでの露出など、いろいろありますが、こと公約の実行に関して決定的なのは、議場における発言や投票行動でしょう。
それらをチェックできるメディアが、それぞれの議会の議事録であり、国会(衆議院・参議院)のそれも、都道府県議会のそれも、市町村議会のそれも、現代では多くの場合インターネット上で公開されており、自由に閲覧することができるようになっています。
■議事録の閲覧を支援するツール
気合を入れて政治家の言動を監視するためには、それら議事録の「すべて」に目を通すのが、本来、望ましいかもしれません。
しかし、膨大な(無味乾燥な、時に愚劣な、退屈極まる)議事録のすべてを読み切るのは至難のわざですし、効率が悪すぎて、現実的ではありません。
要は「公約」に関する、その公約を交わした議員の言動が監視できれば、とりあえずの用は足りるのですから、閲覧の範囲を絞り込むことが効率的でしょう。
そのために有用な支援ツールが、それぞれの議事録公開サイトの(すべてではありませんが)多くに実装されている、検索システムです。
システムの仕様によって使い勝手に若干の優劣はあるかもしれませんが、語句による検索のほか、会議の種類、時期・期間、また政党や議員団、議員ごとの発言を検索できる機能などが装備されている場合は、しめたものです。
中には、簡易的な検索しかできない自治体もあるかもしれませんが、一方では複数の検索条件を組み合わせるなど、詳細な検索が可能な自治体もあるでしょう。
その機能を使えば、たとえば「減税」や「規制緩和」で検索するだけでも、それらに関心を持っている議員がいるかいないか、いるとすれば誰か、逆にそれらに反対している議員は誰か(※「減税」で検索すれば「減税反対」もヒットします)など、確認することができます。
また、そのキーワード検索に、特定の議員名を組み合わせれば、その議員が、議会において、減税や規制緩和について発言したか、どのくらいの頻度で発言したか、また、それら議案に賛成したか反対したかなども、チェックすることができるかもしれません。
これは、減税や規制緩和に関心のある議員を探すことにも使えますし、減税や規制緩和を公約した議員がその公約を守っているか、有権者を裏切っていないか、監視するためにも使えるシステムではないでしょうか。
それは、次の選挙で誰に投票するかを決めるうえで、大きな、しばしば決定的な参考になりうるもののように思います。
(新人に対しては使えない手法ですが、それはまた別の方法で…)
■検索ツールを使ってみよう
御託はさておき、まずは実際に検索ツールをつかってみましょう。
ここでは京都府議会の議事録を閲覧してみます。
このページの最下段に、簡易的な検索窓があります。
まずはそこに「減税」と打ち込んで検索してみます。
すると次のような画面に遷移するでしょう。
(文書名だけを表示することもできますが、デフォルトでは文書内容の一部も表示され、該当語句がハイライトされる設定になっているようです)
これだけでも、誰が減税について発言しているか調べることができますし、その発言が減税に肯定的か否定的か、おおよその「あたり」をつけることもできるかもしれません。
さらに詳しく調べたければ、詳細検索を試みてみればよいでしょう。
トップページの上部にもリンクタブがありますし、先ほどの簡易検索窓の直下にも詳細検索へのリンクがあります。
ここで試みに、キーワードに「減税」を打ち込み、プルダウンメニューから任意の「発言者」を選択してみます。
すると、
などの結果が表示されるでしょう。
上の3件は、本稿執筆者の在住する伏見区選挙区からの選出議員ですが、減税発言は0件( ノД`)シクシク…
(検索方法が悪い可能性も皆無ではないかもしれませんが…)
次の選挙で投票候補から外すか、または、減税を公約するよう働きかけが必要な議員たちであることがわかります。
また、次のように、減税発言自体はヒットするケースも、当然ですが、あります。
この場合は、まず、その発言内容がどのような性質のものか、本人自身の意思の表明であるかどうか(議長発言など、単なる議事進行上の手続きであって、本人の意思とは無関係の場合や、減税の二文字を含む文書タイトルを読み上げているだけの場合なども、機械的な検索ではヒットしますので)、そして何より、その「意思」が減税に肯定的であるか否定的であるかを、さらに確認していくことになるでしょう。
上の例では、消費増税や軽減税率(≒何に適用するかによって利権化しうる仕組み)、さらに、減税が話題にはなっているものの「ただし」「けれども」~と逆接の文脈が登場していることなどから、減税派的には、残念ながら、あまり期待が持てるケースではなさそうかもしれません(´;ω;`)ウッ…
それでも、減税派としてどうアクションするかしないか、考える材料にはなるでしょう。
もちろん、減税に積極的な議員がもしも見つかれば(しかもそれが自分の選挙区であれば)、さらに注目していくことができるはずです。
まずはご自分の選挙区にどのような議員がいるか、いないか、確かめてみてはいかがでしょう?
■地元の検索ツールを探してみよう(リンク集)
以上。簡単な語句や選挙区の議員を選択するだけでも、この程度のことは見えてきます。
使い方によっては、さらに様々な深掘りが可能になるでしょう。
国会はもちろん、ぜひ、地元自治体の議事録を検索して、日ごろの減税活動に役立ててみてください。
以下、国会、および京都府下の検索システムを、見つかったかぎりにおいて列挙しておきます。(その他都道府県についてはこちらなどどうぞ?)
(こうして見ると同一フォーマットのシステムも多いようで……どこに外注したんですか適正価格ならよいですが、と気にならないでもないですね。cocoa化してませんよーに笑^^;)
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