(雑感)タスク管理と組織マネジャーの類似、そしてタスク管理の常識の嘘
仕事がうまく回っているときの個人のタスク管理は、組織が上手くまわっているときのマネジャーに似ている。
両者とも、膨大且つ多様な仕事が押し寄せる中、未来を見据える時間をなんとか確保して、ぎりぎりのところでバランスをとって仕事を回している。
個人のタスク管理で、あるいは組織のマネジメントにおいて、どうすれば絶妙なバランスを維持できるのか?
それはケースバイケースとしか言いようがなく、さまざまな状況に共通する答えないだろう。
答えを指し示すことはできないが、「これではない」というものをいくつか示すことはできそうである。
例えばもし、何でもかんでもタスクを細かく分解して担当者に指示するマネジャーがいたら、間違いなく、そのマネジャーは無能だろう。
マネジャーがボトルネックになって組織が回らなくなるからだ。
タスク管理においても、分解しないと手がつけられないような仕事でない限り、タスクを分解する必要はない。
「タスクを分解せよ」というのは、典型的なタスク管理の常識の嘘である。
同じような例になるが、仕事にかかる時間を精緻に見積ってから担当に振るマネジャーも無能だろう。そんなことをしている余裕はないはずだし、多くの仕事は、時間と成果が比例するわけではないので、精緻な見積りなど理論的に不可能である。
タスク管理においても、必要なのは、タスクの時間見積ではない。それよりも、その仕事にどれだけ時間を割けるのかという現状認識が重要である。現状を把握した上で、その時間制約に合わせて仕事のやり方を変えていかないと、膨大且つ多様な仕事を回していけるわけがない。
タスク管理も組織マネジメントも、重要なのは、全体を俯瞰してツボを押さえた管理をすることであって、マイクロマネジメントではない。(実態から乖離したマクロマネジメントも論外である)
タスク管理については、マイクロマネジメントを推奨するようなことがよく書かれているが、それはマネジメントの本質を外していると思う。
(ツボを押さえた管理をどう実現するのか、考え続けることが重要である)
また、管理とリーダーシップは切っても切り離せない関係にある。
組織マネジメントにリーダーシップが求められるのは言うまでもないが、タスク管理の成功にもリーダーシップが必要である。
困難な状況を主体的に変えていこうというリーダーシップがない限り、仕事がうまく回るわけがないのである。
とりとめもない雑感になってしまった。