ラグランスリーブ、着てみたら意外とピンとこない問題
本日は、今話題のラグランスリーブコートについてお話します。
この話題のきっかけは、日曜劇場『アンチヒーロー』で長谷川博己さんが着用した個性的なコート。ベージュのロングコートで、ラグランスリーブのデザインが特徴的でした。ファッションファンの間で「かっこいい」と評判を集め、印象的なスタイルになりました。
ところが、スタイリストのAさんがTBSの許可を得ないまま、このコートと同じデザインのものをもう一着制作し、200万円超で販売を試みたことでトラブルに発展しました。制作サイドからの事前承認がなかったため、代金の清算も宙に浮いたままになっています。
さて、話を戻すと、このラグランスリーブのコート、数年前から徐々に街でも見かけるようになり、現在は人気のピークを迎えているように思います。私自身、2年前に薄手のラグランスリーブコートを購入し、すっかり気に入って愛用しています。
しかし、ラグランスリーブコートが流行っているからといって、全員にとってしっくりくるデザインというわけではないようです。多くの方が「やはりセットインスリーブ(通常の袖付け)のコートの方が安心」と感じることも多いのです。
具体的にはラグランスリーブは構造上、全体的に(特に胸まわり)がゆったりするのでお好みじゃない方は、「だらしなく感じる」との事でした。お好きな人は「ルーズなフィット感が好き」というお返事でした。
ファッション業界で働いていると、つい自分の感覚とお客様のニーズがずれてしまいがちです。特に、硬いビジネスシーンで着るコートを探している方は、伝統的でしっかりとしたデザインのチェスターコートを求める傾向があるため、ラグランスリーブを安易におすすめしないよう注意が必要だと感じました。
勿論トレンドの勉強は必要不可欠ですが!そんなことを考えた一日でした。