オーダースーツ店の注文から納品までの流れ【生地選び編】
昨日のカウンセリング編に続き本日は【生地選び編】でございます。
オーダースーツにおける生地選びの重要性
オーダースーツの中で最も重要な工程のひとつが生地選びです。基本的には「お任せします!」というご要望でない限り、お客様のイメージされている色や柄を伺いながら、生地見本帳である"バンチブック"を使って一緒に生地選びを進めます。
生地のバンチブックとは
バンチブックは小さな生地見本が集められた冊子で、多くのお店で使用されています。ただし、一部のお店では"着分生地"と呼ばれる、仕上がりイメージが掴みやすい大きめの生地を用意している場合もあります。このような生地は、広い面積で実際のスーツに近い印象を確認できるため、お客様の選択をサポートする重要なアイテムです。
生地選びで注意すべきポイント
スタッフが生地選びで特に注意しているのは、生地を見たときの印象と、スーツとして仕上がったときのイメージの違いです。
例えば、同じ色の生地でも面積が変わると印象が大きく異なることがあります。
明るいかな?と思った生地は、仕上がりでは想像以上に明るく派手な印象になる。
暗いかな?と思った生地は、仕上がりでは想像以上に暗く地味な印象になる。
柄が目立つかな?と思った生地は、仕上がりではより柄が強調される。
青いかな?と思った生地は、仕上がりではさらに青が強調される。
このように、生地の印象は仕上がりで誇張される場合があります。注意すべきは、必ずしも派手になるわけではなく、地味になる場合もあるという【誇張】されるという点です。
イメージギャップを防ぐための方法
イメージの違いを最小限に抑えるためには、選んでいる生地に似た仕上がりのサンプルスーツを参考にするのが有効です。可能であれば、一度サンプルを試着することで具体的なイメージを掴むことができます。
特に初めてのオーダーでは、仕上がりのギャップによってオーダースーツに良い印象を持てなくなる方もいらっしゃるため、丁寧なサポートが重要です。
派手な生地やデザインへのチャレンジ
中には、初回から「派手なデザインがいい!」とおっしゃるお客様もいらっしゃいます。そのような場合には、お客様の感性を尊重しつつ、ギャップのリスクについて十分に説明したうえで、一緒に生地選びを楽しみます。
矛盾するようですが、チャレンジした生地やデザインの方が、仕上がりを心待ちにする楽しさが増すことも事実です。
生地選びはオーダースーツの魅力を最大限に引き出すための大切なステップです。お客様とスタッフが一緒に楽しみながら選ぶことで、期待を超える仕上がりを目指しています。ぜひ、一緒に理想のスーツを作り上げていきましょう!