ピーポくんのニュースから考える職人の未来
最近、興味深いニュースを目にしました。警視庁のマスコットキャラクター「ピーポくん」のぬいぐるみ製造が、職人の高齢化を理由に一時ストップしていたという内容です。かつて製造を担っていた工場が廃業したことで製造が中断していましたが、最近になって東京都葛飾区の会社が委託を受け、製造を再開したそうです。
このニュースを聞いて、我々オーダースーツ業界の現状とも重なる部分が多いと感じました。
オーダースーツ業界における現状と課題
オーダースーツを手がける縫製工場でも、職人の高齢化が深刻です。若い世代が活躍している工場はごく一部で、多くの工場では職人の平均年齢が60歳以上という状況も珍しくありません。
実際に縫製工場を訪れたことがありますが、その現場の厳しさと職人の努力には、いつも感心させられます。特にオーダースーツの場合、売れる時期とそうでない時期の波が大きいため、安定した生産体制を取れないという部分が難しいという課題があります。
例えば、忙しい時期には納期が迫った大量の注文を少ない人手でこなさなければならず、反対に閑散期には仕事が減るというジレンマがあります。こうした波をなくし、年間を通じて安定した製造体制を整えるのは非常に難しいことです。
私たちにできること
このような状況の中で、私たちができることは一着でも多くのオーダースーツの受注を獲得し、安定的に工場に仕事を出すことです。そうすることで、少しでも職人さんたちの環境を支える助けになればと思っています。
「ピーポくん」の製造再開のニュースを目にした時、私たちの業界も頑張らねば、と強く感じました。職人の技術が途絶えることなく、未来に繋がっていくために、今できることを一つひとつ積み重ねていきたいと思います。