よくある質問：生地を持ち込んで仕立てて頂く事は可能でしょうか？（オーダースーツ）

本日もよくある質問を深掘りしていこうと思います。

オーダースーツ店での基本的な流れ
オーダースーツ店では、基本的にお客様が選んだ生地を店舗が発注し、仕入れた生地を工場でスーツに仕立てます。

「スーツの生地を持っている」お客様について
ごく稀に、「スーツの生地を持っている」というお客様がいらっしゃいます。しかし、スーツ生地を小売りしている生地屋さんは非常に少ないため、個人で手に入れるのは珍しいことです。多くの場合、アパレル業界に知り合いがいて譲り受けたなど、特別な経緯があるようです。

そのような方から、「生地は持っているのですが、仕立ててもらえますか？」というご相談をいただくことがあります。

持ち込み生地をお断りする理由
多くのオーダースーツ店では、持ち込み生地での仕立てをお断りしています。これは主に「責任問題」が関係しています。

スーツの製造工程では、以下のようなリスクがあります：

• 裁断ミス：生地を裁断する際にミスが発生する可能性があります。

• 縫製の問題：縫い直しが必要な場合、生地に穴が開いてしまうことがあります。

これらのミスが起こった場合、店舗が責任を持って生地を再発注し、迅速に対応する必要があります。しかし、持ち込み生地の場合、次のような問題が生じます：

• 在庫の確保ができない：持ち込み生地が限られた量しかない場合、同じ生地を手配し直すことができません。

• 特別な生地のリスク：持ち込み生地が形見や特別な思い入れのあるものだった場合、店舗側では弁償や代替対応が難しいため、リスクが非常に大きくなります。

そのため、多くの店舗ではお断りする方針を取っています。

持ち込み生地を受け付ける場合の対応
一部のお店では、特定の条件下で持ち込み生地を受け付ける場合もあります。例えば、以下のような対応が考えられます：

• 誓約書の作成：裁断ミスや縫製ミスが発生した場合、店舗側では弁償や責任を負えないことを事前に明確にし、お客様に同意をいただきます。

• 仕立て代の設定：持ち込み生地のリスクを考慮した価格設定を行い、対応します。

このように、条件を設けることで対応している店舗も存在します。

生地をお持ちの方へのアドバイス
持ち込み生地でスーツを作りたいとお考えの方は、諦めずに対応可能なお店を探してみてください。一部の店舗では条件付きで受け付けてくれることもあります。