5月3日、学校一部再開
さて、普段は旅行にレジャーにとにぎやかな日本のゴールデンウィーク。今年は閑散としているところも多いと聞きますし、また、県外の人に遊びに来てほしくないなどというニュースを時々目にします。せっかくの新緑の季節、外に出られないのは本当に残念ですが、たまにはおうちで家族そろってゆっくり過ごせる機会という風にとらえても悪くはない気もします。(頑張ってポジティブシンキング!)
というのも、ここイスラエルでは3月中旬から閉鎖となっていた全国の学校が、一部、今日5月3日から再開されることになったのです(イスラエルは日曜日から1週間が始まります)。まだ第1日目だというのに、いきなり学校にも行かなくてよい「外出禁止」の日々が終わるのが残念な気がしてしまったのです。
もう少し夜更かしを許してあげてもよかったかな…もう少し家族皆で思い出に残るような特別なこともやればよかったかな…。というような。
そんなわけで、せっかくの「特別な」ゴールデン・ウィーク。皆さんができるだけ健康で、できるだけ楽しく過ごせますように!!!
イスラエルの学校再開ですが、再開の対象は、小学校1~3年、および高校2年及び3年です。
当初は幼稚園も再開させる予定だったのですが、私立幼稚園組合などが、幼稚園でコロナ関連で万が一のことがあっても保険がきかないということも理由の一つとして反対を唱え、その他の要因もあり、今日からの再開は取りやめとなりました。様々なニュースによると、幼稚園の再開は来週からを考慮しているらしいです。
私には3人の子供がいるのですが、そのうちの1人が小学1年生ということで、再開クラスの一つとなりました。夏休みでもないのに1か月以上もしまっていた学校に再度行くという、この気分。不安もいっぱいで、校門を通り過ぎる息子の小さな背中を見ていると、なんだか子供を始めて学校に送り出した日を思い出しました。
学校の一部再開にはいろいろな条件があり、まず、子供たちを学校に送るか送らないかはそれぞれの親の判断に任せる、つまり登校は義務ではないというのが基本方針です。
さらに自治体によっては独自の判断で再開を遅らせたりしています。今日学校を再開させなかった自治体はテルアビブやラマットガンといった大都市も含まれます。
またクラスは最高でも15人までの少人数にすること。今までは30人クラスとかが普通だったので、クラス内で子供たちをグループに分け、別々の教室で勉強させます。
ニュースを見ると、先週末、安息日入り前の木曜日から金曜日午前中にかけて教室を消毒して回っている学校の写真などが出ていますが、うちの学校はそんなことをちゃんとやってくれたんだろうか?財政難で教育にかける子供一人当たりの金額が全国でも下位にあるこの町に、そんな予算はあったんだろうか…。調べればわかることですが、恐怖が先に立って調べたくないです。
また別のニュースでは校門に防護服で身を包んだ検温係の人が立っている写真も。私の学校にはそんな人はいなかった…。スーパーの入り口で検温された時は、「こんなことやって、意味があるの?」と思っていましたが、子供の行く学校にそれがないとなると、いきなり不安です。
覚悟と信頼が試されている気持ちになりました。
学校が再開しなかった中学生と高校生の子供たちは、今日もゆっくり起き出してきて、オンライン授業を受けています。グーグルクラスルームを使っているようです。子供たちが使うPCやスマホには有害コンテンツ対策プログラムを入れているのですが、先ほど娘がブンむくれでドタバタと私の仕事部屋に入ってきました。
「このわけのわからないプログラムのせいで提出できない課題があるんだけどっ!お父さんはどこっっっ!?」
ありがちですが、こういうプログラムを使っていると、別に有害でも何でもないのに入れないサイトなども時々あるわけで、朝から機嫌の悪い反抗期です。
「サイトに入れなかったから提出なんてしないわよ」と放り出さない馬鹿正直さに思わず笑ってしまい、さらに娘の怒りに油を注いでしまいました。
新型コロナに対する予防薬も治療薬もないまま、私たちは少しずつ「日常」に戻るための道を探しています。
コロナが終わったらあれをしたい、これをしたい…と話す子供たちにも、学校再開を目前にした昨日は、「コロナはこの先もずーっと終わらないかもしれない。私たちは今までとは違う方法で日常を迎えなければいけないかもしれないよ。」と、初めて言ってみました。
わからないことだらけ、不安なことだらけ、時には恐怖すら感じたこの1か月半以上にわたる外出禁止生活。それが完全に終わるわけでもなく、また終わっても別に映画のようなハッピーエンドが待っているわけでもない。
それでも、これ以上はもう我慢できなければ、覚悟を決めるしかない。この不安や恐怖とともに生きていくしかないのかなあと、まだ覚悟も決まらない私は思っています。
私の座右の銘は「馬には乗ってみよ、人には添うてみよ」と、「同じアホなら踊らにゃソン」です。コロナに添いつつ楽しく踊って暮らせる日を夢見ながら。
写真は、今朝の校門の風景です。