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語学学校in NZ(1週目-②)〜授業開始〜

 登校2日目、今日からレベル順に振り分けられたクラスでの授業が始まる。今週入学した学生が登校すると、学校スタッフの方が案内してくれた。今週の新入生は10人程度いたのにもかかわらず、すでに顔と名前を覚えているのか、と脱帽する。

 毎週火曜日に新入生のクラス振り分けが発表される為、ラウンジにあるTVボードには人だかりができる。在校生のレベルチェンジ(基本的にNext Level)もおおよそこのタイミングだからだ。


振分結果

上から
Advance/上級者
Upper-Intermediate/中の上
Intermediate/中級者
Pre-Intermediate/中の下
Elementary/初級者クラス
Beginner/初心者      といった具合のクラス編成。

私は下から2番目のElementary/初級者クラスから始まった。

BeginnerとElementary(推測のお話)

 正しくない発音でも英語で自己紹介が出来る、質問の意図が理解できる程度の生徒がElementaryクラスには揃っていた。つまりは、相手と英語で最低限のコミュニケーションがとれると判断されると、このクラスに振り分けられる印象だ。
 Biginnerクラスでは(黒板を覗き見た限り)ABCの発音から、曜日や月の英単語などを学んでいるようだ。
 発音出来ても相手が理解できない、「When/いつ、Where/どこ」といった5W1Hの意図がわからないと、Biginnerクラスといったところだろうか。

 Biginnerクラスには(国にもよるだろうが)学校での英語学習が必修となる前の世代などが多い印象だ。
・子供が全員英語圏に住んでおり一緒に英語圏で暮らすため
・Intermediate程度のパートナーと一緒に英語圏で暮らすため
という理由が多い。

 日本を筆頭にアジア圏、南アメリカ大陸、サウジアラビアの留学生もそこそこ通っている。一つの国でみると日本人が圧倒的だが、言語や大陸でみるとブラジルを除く南アメリカ(Spanish)、ブラジル(Pootigies)が続く。アジア圏では、日本に次いでタイからの留学生が多い。Elementaryクラスには南アメリカ圏が多く、18〜40才と世代はバラバラだ。
 教師もネイティブ圏ではないが、話すスピードがゆっくりで聞き取りやすい。南アメリカ圏は総じてお喋りが上手く(発音ではない)、会話のネタが尽きることがないかのようにいつも話している。

 一応、英語以外の言語を話すことは禁じられているが、特に罰則などがない学校のためスパニッシュが飛び交う。不思議なことに、ブラジルにも似た言葉があるのか、たまに通じてあっているのが面白い。アジア圏では見ない光景だ。

Speaking Class「Elementary/初級クラス」

 例文が出されて、それを自分の自己紹介として使えるように練習する。ペアを組んだり、端から順番に当てられたり、例文に自分なりの動詞を置いて発言していく。

 5W1H、過去形など、文法クラスで習う前に会話クラスで口にすることもあった。それらを使える生徒はきちんと、それは過去形だから?、と聞かれたり、He doと言えばHe doesと直される。たとえ例題でなくても、文法クラスで習っていなくても、正さなければならない部分は正される。

 さて、三人称単数や過去形など、日本の英語教育でsがつく、形が変わる、など覚えていても、いざ会話を続けようと思うと間違えてしまう。HeとSheでさえ、会話するときには間違う。書くと言うではやはり違うのだ。どこを間違えたのかにすぐ気が付けるのは、日本での義務教育と高校のおかげだと思う。

問題は発音、リスニング、語彙量だ。

 ただでさえ英語が聞き取れないのに、英語圏以外の学生相手だと尚更聞き取れない。日本人学生同士でよく話題になるが、これはお互い様。カタカナ発音や、LRの違い、thの音、Linkingなど、意識したところで一朝一夕にはできない。練習練習の日々である。
 私の場合、特にサウジアラビア圏の聞き取りに苦労した。名詞の書かれた紙切れを渡され、それを説明して当ててもらう、というゲーム形式の授業の際「私の答え合ってたじゃん!」と言われた。まぁ、教師も聞き取れていなかったので申し訳ない気持ちにはならなかったが。
 私のホストメイトもサウジアラビアから来ているが、彼はトップクラスの会話クラスに在籍しているため、とてもネイティブに近い。ホストとも流暢に会話が出来ており、私の勝手な憧れの存在となっている。

 南アメリカ圏は話すスピードがとにかく速い。聞き取れた単語で会話を続けるしか道がない。心の中でパピー(英語で子犬)と名付けた友達と組む時は「What’s!? /Sorry?」と繰り返す。ちなみに、このパピーは教師からもよくWhat’s?と言われている。

 タイからの留学生が唯一の救いだった。その子の発音もタイ訛りが強いが、話すスピードが日本人とあまり変わらないのだ。癒しを求めるように、ペアや同じグループになりやすいよう、隣や向かいに敢えて座ったりした。

Grammar Class「Beginner/初心者クラス」

 文法クラスはなんと初心者クラスから始まることになった。私、何かやらかしたらしい。並び変えなどで点数を稼いでいた学生時代、文法はまだ出来る方だと思っていたが、まさかbe動詞から始まるクラスに割り当てられるとは思っても見なかったのだ。そこそこショックを受けつつ、最初の授業の望む。この時点で初心者クラスに在籍している日本人は私だけだ。

 多くの語学学校がそうであるように、自分から申し出てクラスのレベルを上げることも出来た。だが、初心者クラスでさえも私は何を言っているのか理解できず、雰囲気で授業を受けていたため、最初の2週間は英語に慣れる所から始めようと思い(そもそもの計画からも外れていない)、変更を申し出なかった。
 振分テストの先生も「クラスはどう?簡単?」と話しかけてくれたが、文法は簡単だけど聞き取れないから、始めの1〜2週間はこのままが良い、と何とか英語で伝えた。なぜかGreatと言われる。変えたいと言ったら「まだステイ」と諭されていたんだろうか。

 「初心者クラスで何か吸収できることはある?」と言われればそれまでなのだが、日本で疎かにしていた部分やわからないまま卒業した部分を補うことができ、新たな発見も(時計の一般的な言い方など)あるのだから、初心者様々だ。何よりも、このクラスでは優等生中の優等生で過ごすことが出来たのだ。多少の自信は欲しい。

ブラジリアンマダムとの出会い

実際に裕福かはわからないが、言葉の雰囲気が好きなのでマダムと綴る。

 前述したが、初心者クラスには国で英語を学ばなかった世代が多くいる。その方々と一緒に授業を受けると、言ってることがわからないし通じないことが多い。かと言って説明出来る訳でもない。
 時々教えながら、ゆっくりと課題をこなしていく。そして時には先生がつきっきりでマダムたちに教えることもある。

 ある日の放課後、いつも早く帰るひとりのマダムが教室に残っていた。穏やかな性格の彼女が好きで、いつも隣に座っていたため勇気を出して話しかけに行った。すると、意外にも話に付き合ってくれる。もちろん、お互いが英語初心者なので翻訳機(携帯)を通じてだ。時代の進歩に感謝である。

 この日よりも前の宿題で、初心者クラスの誰か一人について日記を書く、と言う宿題がでたのだが、私はパピーをメインに、マダムたちのように少し落ち着いて授業を受けて欲しいと書いたよ、と教えると、マダムは私のことを書いてくれたらしい。どんな内容の日記だったのか知る由もないのだが…。

 この会話の中で、子供たちは全員ブラジルから出ていった。残った親戚も少なくあの国に戻る意味や価値はない、あなたも遊びで勉強している訳ではないでしょう?と聞かれ、胸にくるものがあった。
 確かに、6ヶ月もいるのだから、大枚をはたいて来たからには、そこそこ英語を身につけて帰りたいし、出来ることならインターンシップだってやりたい。それでも、私の気持ちよりも根底にある強い覚悟が彼女の言葉からは感じられた。

(娘さんと一緒に暮らしているとは言え)
60-70代で全く未知の言語を、その国で学ぶとはどんな心地だろう。故郷であるはずの国に戻るほどの魅力を感じないとは、どんな心地だろう。

 もうひとりのブラジリアンマダムとも話したが、彼女も似たような境遇らしい。

初心者クラスで得た一番の価値のあるものは、彼女たちに出会えたことだ。
彼女と会話出来た自分の判断力に感謝である。このブラジリアンマダムたちを(またも勝手に)自分のおばあちゃんのように慕っている。

ホームステイ先での出来事

「シャワー問題」
 留学された方や留学を検討中の方、実際に海外に住まわれている方、全員が直面する問題ではないだろうか。前回の記事で、湯船を使っても良い、という結論に落ち着いた訳だが、学校から帰ると「プレゼントよ!」とバスソルトを頂いた。湯船を使っても良い、という免罪符を手にいれたらしい

 ホスト家は市郊外にあり、比較的新しく開墾されたため一般的なお湯タンクがない。日本でもよく見かける「Rinnai」製のガス給湯だ。光熱費はお高めのニュージーランドだが、共働きご夫婦のため収入が安定しているのだろうか。朝の送迎もありご飯も美味しい、スーパーに行くけど欲しいものはある?と聞いてくれたり至れりつくせりだ。

 学校までバスで90分という遠方ではあるが、この家でのんびりと過ごせそうだ。近くに頑張り屋の彼もいる。勉強に対するモチベーションも保てそうで何よりだ。

 最初の2週間で彼の寝坊で遅刻しなかった日、1/10日。つまりは入学式翌日のみ私は遅刻しなかった。コレさえなければなぁ笑



 会話も文法クラスも、教師の話していることの半分理解できたなら御の字だ。正直なところ、日本で教わった文法を英語圏で思い出す、という雰囲気がつよい。それでもホームシックや伸び悩みなどは感じない。楽しい2週間だった。

 書くスピードが遅かざること亀の如し、2週間に一度の(進級の目安にもなる)テストを一つの区切りにこれから綴って行こうと思う。
 既に滞在期間も半分を過ぎ、少々焦り始めた。日記でも備忘録だろうと書く、綴ると行為に慣れていないと構成に悩む。エッセイを出せる作家さんやイラストレーターさんってすごい。

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