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トヨタ物語 ウーブン・シティへの道|第21回 町でいちばんの自動車屋

■カローラ徳島

 トヨタのトップ、豊田章男はアメリカのジャーナリストのインタビューに答えて、こんな話をしている。

 「町でいちばんの自動車屋をめざす」

 ――世界でいちばんの自動車屋、日本でいちばんの自動車屋、そして、町でいちばんの自動車屋があるとします。

 みなさん、どこで車を買いますか?

 そうでしょう。町でいちばんの自動車屋で買うに決まってますよね――。

 トヨタは世界中に販売店網を持っている。そのすべてで地域社会の支持、評価を大切に考えているという意味だろう。

 一方で、この話のミソはトヨタ販売店がすべて「町でいちばん」になれば、結局、トヨタは世界でいちばん車を売る会社になることができる。自動車会社の社長の言葉としては、表見が巧みであり、しぶといやつという感じがする。

 カローラ徳島は文字通り、地域でいちばんの自動車販売店だ。県内でもっとも新車、中古車を売っている。年間の売り上げは101億7600万円。従業員は235名。

 もっとも、トヨタ系列で大都市にある販売店ならばカローラ徳島よりも売り上げは多いだろう。カローラ徳島の最大の長所とは、とにかく地域で高く支持、評価されていることだ。

 社長は竹内浩人。同社は彼の父親が始めたのだが、父親は開業して5年目、37歳で病死した。

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