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トヨタ物語 ウーブン・シティへの道|第24回 物流費1兆円
■3つの物流カイゼン
トヨタ生産方式のカイゼンで、基本とされているのは物流のカイゼンだ。
1982年、トヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売の「工販合併」が行われた年、生産管理部の次長だった張富士夫は物流をカイゼンするリーダーに指名された。
会長だった豊田英二は張を呼んで、ひとこと伝えた。
「張くん、我々も昭和20年代には物流のカイゼンをやったんだ。トヨタ『生産』方式と言っているけれど、基本は物流カイゼンなんだ」
以来、トヨタではつねに部品や車を運ぶ部門の生産性向上に努めている。
だが、2016年に九州地区から始まったそれは会社設立以来、もっとも大きな規模であり、かつ人手をかけたものだ。
トヨタにおける物流は3つに分けられる。
ひとつは部品が生産工場に入ってくるまでのもので、「調達物流」と呼ばれる。
次は生産工場から出て行った車が購入した客の手元に届くまでの「完成車物流」。
3番目は「サービスパーツ物流」。サービスパーツとは車が壊れた時などのための補修用部品だ。サービスパーツを工場あるいは倉庫から販売店まで運ぶことをいう。
この3つを合わせた物流費はおよそ1兆円にもなる。年間の生産台数が1000万台の企業規模になると、これほど大きな金額がトヨタから社外に出て行くわけだ。
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