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トヨタ物語 ウーブン・シティへの道|第45回 シンガポールで育てる
■コネクティッドとシェアリングの融合
eパレットはコネクティッドと自動運転、EVが融合したものだ。
一方、トヨタにはそれよりも2年近く先んじて実現しているコネクティッドとシェアリングの融合がある。
シンガポールでトヨタとグラブが協業しているビジネスがそれである。
グラブはマレーシアで起業し、東南アジア一帯でライドシェアや食事の配達などのサービスを行うアプリの運営会社。コロナ禍では相乗りサービスのGrabHitchこそやめているものの、配送サービスGrabExpress、料理を配達するGrabFood、そして、決済サービスGrabPayなどは活況を呈している。なお、グラブはトヨタの出資を受け、2018年には同業のウーバー・テクノロジーズの東南アジア事業を買収している。
株式を公開していないこともあって、グラブの企業情報は推定に頼るしかないが、市場の占有率は高く、成長のスピードは速い。
コロナ禍以前の2019年、わたしはグラブ本社のあるシンガポールを訪ね、実際に配車アプリを使うだけでなく、同社のシンガポール地区代表、ラッセル・コーエンに会って話を聞いた。
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