【ドラゴンボール】これまでに生まれた未来悟飯の可能性まとめ
隻腕でおなじみ、悟空が心臓病で死亡した世界線の孫悟飯。通称・未来悟飯。
結果的に彼が死亡することでトランクスはタイムトラベルを敢行し、未来に帰還して人造人間とセルを撃破するので、人気はあるけど大体の歴史で非業の死を遂げている。まぁ仕方ない、生きて抵抗続いてたらトランクスも共に戦いながら成長する道選ぶだろうし。
……が、死亡までの経緯やその後について、原作・アニメ・ゲームで割と違っていたりするんである。特に近年は大胆なIFを描いたものも増えているので、備忘録がてらまとめてみる。
なお、正史である原作漫画・アニメ版以外は特記事項がなければ省いている。またご都合展開が過ぎるものは明記した上で省く。
原作漫画
番外編「TRUNKS THE STORY ーたったひとりの戦士ー」として掲載。コミックスでは巻三十三「セルゲーム始まる」巻末に掲載されている。
未来悟飯が初登場した全ての発端となる作品だが、なんと悟飯が存命の内にトランクスが超サイヤ人になっている。つまり超サイヤ人2人体制で、何カ月かすればトランクスが悟飯を追い抜く成長を見せるという見立ても現実味がある状態。
とはいえ人造人間の襲撃に際し、悟飯はトランクスを手刀で気絶させ単身出撃する。2人とも倒れては地球を守る戦士がいなくなってしまうからである。ただ、その際の隙の作り方はキュイみたいに「あっ!」と声を上げながらあらぬ方向を見て、釣られたトランクスの不意を衝くというちょっとギャグっぽい感じ。
悟飯は17号を蹴り飛ばして対峙するが、「(左腕喪失した)この前の闘いでは半分のパワーも使っていなかった」という17号の発言に愕然とし、そこに人造人間達が襲いかかる。そして戦闘カットなしで悟飯は死亡。トランクスは亡骸を発見し慟哭する。
アニメ版
TVSP「ドラゴンボールZ 絶望への反抗!!残された超戦士・悟飯とトランクス」として放映。未来悟飯のもう一つの原点であり、以降の作品ではこちらを踏襲している作品が多い。
左腕喪失以前からその姿が描かれており、超サイヤ人化はピッコロやクリリン達が人造人間18号に殺害された怒りで覚醒した。たった一人で人造人間相手に人々を守り続け、人造人間による破壊に戦う決意をしたトランクスの弟子入りを受け入れている。
人造人間の迎撃に向かった際は上手く立ちまわって防衛していたが、まだ超サイヤ人化できないトランクスがついてきたため、人造人間にトランクスを狙われ守勢に回らざるを得なくなる。そして瓦礫に身を隠すも18号に全方位エネルギー波を撃たれ、トランクスを庇って左腕に甚大なダメージを負い、さらに最後の仙豆を負傷したトランクスの回復に使ったそのまま左腕を喪失。以降は隻腕になる。
その後は隻腕ながらトランクスの指導を続けていたが、トランクスは超サイヤ人になれず焦る。そして再び人造人間の襲撃が起きた際、ついてこようとするトランクスを一度は受け入れるが、いざ出撃しようと正面に気が向いた瞬間を狙ってトランクスを手刀で気絶させる。
当然キュイみたいなやり方に比べれば大分格好よいのだが、正史のトランクスも魔人ブウ編でべジータに受け入れられた直後に手刀で気絶させられたので、なんか正史で少年悟飯が左腕を負傷したのと同じ歴史の強制力を感じる。
そして単身、人造人間2人相手に単身交戦。トランクスに託した希望と覚悟のためか、エネルギー弾の乱射をバリアーで防ぎ、2方向からのラッシュをさばきながら足を掴んで叩きつけるなど善戦。さらには人造人間2人がかりのエネルギー波を片手の気功波で押し返すなど一時は優位にすら立つ。
しかし雨が降り視界が悪くなったあたりから人造人間が手段を選ばなくなり、悟飯をビルの影に誘いこんでから強引なタックルで強襲。打撃のラッシュならまだ捌けるが、隻腕では体当たりの衝撃を受け切れなかった。そして地面に叩きつけられた直後、体勢が立て直せないままエネルギー弾の乱射を受け死亡。永久エネルギー炉での連続エネルギー弾は嬲り殺し同然だろう……。
目覚めたトランクスは悟飯の亡骸を見つけ、雨の中で慟哭しながら超サイヤ人に覚醒する。
ゲーム作品
真武道会2
PSP用の対戦格闘ゲーム。PS2で展開されていた「ドラゴンボールZ3」のモデルやシステムがベースながら、再現シナリオではなく独自シナリオが展開されている。
そして未来悟飯の死亡まではアニメ版と同様だが、さらに死亡して以降の姿が描かれる。
バビディ一味襲来にあたり未来トランクスが現代から悟空達を連れてきた中で、未来の世界の界王神がゼットソードを抜こうと提案。しかし同行した現代の悟飯が抜こうとしても全く抜けず、世界に本来いる方の悟飯でなければダメなのではという話になり、天界で未来悟飯を探すことに。
未来悟飯は死後きちんと天界に行っていた。サイヤ人編で死亡した後の天津飯がそうだったように、腕も再生している。しかし人造人間から世界を守れないまま死んだ自責の念から、人造人間の幻影と永遠に戦い続け、さらに超サイヤ人2に覚醒していた。どんだけ戦ってたんだお前。現代の悟飯、そしてウィルス性心臓病で死んで天界にいた未来の悟空との激闘によりなんとか正気を取り戻す。
未来悟飯が予想通り容易にゼットソードを抜くと、現代の悟飯は即座にゼットソードを破壊して老界王神を解放する。そして本編の悟飯と同様に潜在能力解放の処置を受け、未来悟飯もアルティメット化。さらに本編での悟空と同様に老界王神の命をもらって復活まで果たし、対バビディ一味およびブウ戦に参加する。
そして存命のまま決着をつけ、残されたZ戦士として再び地球を守っていく。
おそらく現状では唯一、アルティメット化できた未来悟飯がいる世界。また死亡した後に蘇生できた世界としても珍しい。
ただし魔人ブウ戦後の現代のZ戦士達を多数未来に送るという行為が前提なので、銀河パトロールや破壊神・天使といったあたりが時間のコントロールを強く警戒している「ドラゴンボール超」の世界ではおそらく無理。Zシリーズならではの可能性である。
スーパードラゴンボールヒーローズ
アーケードのデジタルカードゲーム。
データカードダスの中でも筆頭格の稼ぎ頭だからか、ゲームオリジナル展開ながらプロモーションアニメが製作されており、時の界王神編にて別の可能性の未来悟飯、その名も「黒衣の未来戦士」が登場している。
なお本来の未来悟飯もゲーム上参戦しているが、なぜか超サイヤ人3になれていること以外は特に変わらない(前身タイトルであるドラゴンボールヒーローズの初期にやたらifの超サイヤ人3が多かった煽りである。ラディッツとか)
黒衣の未来戦士はその名の通り胴着が黒いが、それだけではない。この黒い未来悟飯の辿った歴史では、人造人間により悟飯は死ななかったが、代わりにトランクスとブルマが殺害されてしまっていた。既に隻腕であることと雨が降っていることから、アニメ版における強引なタックル×2までにトランクスが目覚めてしまい、師匠の危機に割り込んだことで悟飯ではなくトランクス達がトドメを刺されてしまったと思われる。ブルマも死亡していることからして、偶然通りがかったブルマが起こした可能性もありそうだ。
真武道会2の未来悟飯も壮絶だったが、こちらもまた壮絶である。悟飯の死に慟哭したトランクスさながら、トランクスとブルマの死に慟哭する未来悟飯は悲壮の二文字に尽きる。
最後の希望を守れないままのうのうと生きている自分への絶望から、己の強さを証明すべく、時の界王神編のオリジナルキャラ(アイオス)より暗黒ドラゴンボールの恩恵を受けてパワーアップした。
なお、いかなる経緯によるものか、かめはめ波を習得しているが、魔閃光も使用している。正史における悟飯がかめはめ波習得後は魔閃光を使わず一本化したことを考えると興味深いものである。
このシナリオは異なる歴史の者が激突する『超時空トーナメント』が舞台だが、そこで黒衣の未来戦士が対峙したのは、同じく正史とは違う歴史を辿った未来トランクスことトランクス:ゼノ。通常の超サイヤ人で超サイヤ人ゴッドと渡り合うほど強くなりながらも、黒衣の未来戦士は自身の迷いもあり惜敗。互いにもっとも辛い相手を引いてしまったあたり、ここでも幸の薄さが目立っている。しかし直後、あらゆる歴史の邪悪な者が召喚される緊急事態に陥る中、トランクス:ゼノの窮地に復帰しそのまま共闘。
最後は超サイヤ人2に覚醒しながら、正史準拠の孫悟空、正史外の存在である黒衣の戦士ことバーダックと共に元凶を撃破。トランクス:ゼノに別れを告げ、時空を巡る旅へ向かった。
「かつての無力ゆえに力を求める」という闇堕ちめいた歪みを抱いた可能性ゆえ、結果的に並行世界混合の作品で出たことで救いがあったという珍しいケース。仮にこの黒衣の未来戦士ifが『SPARKING ZERO』あたりで再現されちゃったら多分泣く。辛い意味で。
KAKAROT
DLC「TRUNKSー希望の戦士ー」で未来悟飯が登場する。「悟空体験アクションRPG」と銘打たれた作品なので基本的にアニメ版ベースであり、実際に最後の人造人間との対決前にトランクスを気絶させるまではほぼ変わらない。だが、その最後の対決がかなり変更され、原作漫画寄り以上に戦力差が酷くなっている。
単身で人造人間迎撃に向かった未来悟飯は、激闘の末に全力の魔閃光を叩き込む。超サイヤ人化が解けるほど消耗してしまうが、それでも直撃を与えた……のだが17号も18号もピンピンしている。そしてまだ半分のパワーしか出していないと語る17号。原作漫画版で未来悟飯が隻腕にされた時は半分のパワーも出していないのでそれよりはマシだが、こちらは未来悟飯が決死の覚悟で挑んだ最終決戦で言われてしまっているので、超サイヤ人体得前の悟空vsフリーザ並に厳しい。少なくとも正面対決を避けさせ、死角からの不意打ちタックル×2→エネルギー弾飽和攻撃というラフプレーを選ばせるまでには追い込んだアニメ版とエラい違いである。
さらに全力の魔閃光で消耗しきったまま、気が全く溜まらない状態の未来悟飯をプレイヤー操作で戦わされる。超サイヤ人化だけはそのままだが、打撃はロクなダメージにならず気弾や気功波は全く撃てない。というか殴っても全く怯ませられないし、ヒートアップもできないのでもはやどうしようもない。
そのままあっさりと背後を取られ、18号のエネルギー弾で地面に叩きつけられる。17号と18号の飽和エネルギー弾&エネルギー波に対し、未来悟飯は最後の意地であの片手気功波を放つ。本作ではかめはめ波扱い(ボイス付き)だが、間違いなくアニメ版では17号達の合体エネルギー波を押し切った一撃である。だが、撃って間もなくはやや押していたものの、人造人間達がパワーを上げると呆気なく押し返され、アニメ版の飽和エネルギー弾と同様に嬲り殺しにされてしまう。
アニメ版そのままではなく原作の言い回しや劣勢度合いを取り込んだことで、やたらと絶望的……というかややもすると度が過ぎる域になっている。たしかに原作漫画版では防衛こそできていても直接対決ではさっぱり歯が立っていないのだが。
未来悟飯があまりに悲惨なだけあって、現代から帰還した後の未来トランクスvs未来の人造人間はプレイヤーも確実に復讐モード全開になる。制作側も見越してか、人造人間達が瀕死になった際、原作でトランクスが未来の17号を始末した片手気功波が全力の魔閃光に差し替えられており、トランクスと未来悟飯がオーバーラップする。
ドッカンバトル
最後にまとめるのはドラゴンボールのソーシャルゲーム老舗。ソーシャルゲームなので基本的には正史の未来悟飯がそのままバトルするだけなので省略するが、決定的に異なる1枚だけ特記しておきたいものがある。LR【不撓不屈の戦士】超サイヤ人孫悟飯(未来)である。
この未来悟飯の登場から5ターン経過すると、フィールドが「都市(未来)(雨)」に変更される。このフィールドはダメージUP効果があるのだが、そんなことよりこれまでの記述を読んだ方なら嫌な予感がするだろう。なにせ雨が降った未来の都市はアニメ版における未来悟飯の死に場所である。しかし、その嫌な予感は良い意味で覆される。
このフィールドの展開中のみ発動できるアクティブスキル「アナザーホープ」では、人造人間2人の合体エネルギー波を押し返したあの片手気功波を発射する。優勢だった最後のタイミング、少なくともKAKAROTのように押し返されてはいない。だが完全にトドメを刺すにはまだ足りない……その時、未来悟飯の手に二つの手が重なる。それは死んだはずの孫悟空とピッコロのものだった。
そう、これは未来悟飯における親子かめはめ波なのである。
何気に未来世界における死亡後のZ戦士は、未来悟飯を除くと触れられたのは真武道会2程度とやたら少ないので、その点においても珍しい。というかセルの自爆がない以上、未来世界は界王様が無事なんだし、他の世界でも悟空はもうちょいがんばれそうなのだが。
そしてアナザーホープの発動後は天気が晴れる。元である親子かめはめ波が人造人間の完成形であるセルにトドメを刺しきった一撃であることも相まって、完全なる死亡フラグ粉砕ifである。ここまでどうにも幸薄いというか悲惨な経緯ばかりだが、これだけは珍しい逆転勝利した可能性の世界である。タイムマシンを作った未来のブルマも発言していたように、正史ではダメでもそれと別に未来悟飯が勝てた世界が一つぐらいあっても良いのではなかろうか。
……ということで色々と未来悟飯の可能性を集めてみたが、どうだっただろうか。まぁ冒頭にも書いたように基本的に死亡するのがデフォだし未来には味方もトランクスだけだしで幸薄くなることが多いのだが、死んだ後に復活したりそもそも逆転勝利したりと救いはなくもないのである。
もっとも、幸の薄さゆえに人気ということもなくはないのが未来悟飯の扱いの難儀なところだったりもするのだけど。さて、今後はどんな可能性が増えていくやら。
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