TOKIOとばっちこい。
強風でステキなヘアスタイル(自画自賛)は崩されてしまうものと思い知った昨日。
ヘアスタイルよりもステキな言葉と、崩されてショックだったような出来事を思い出しました。
あれは、自分が金融機関に勤めていた頃なので、20年以上前としておきましょう。(お年頃なのでここは紗をかけて)
自分が最初に配属された支店は、その金融機関の中で三本の指に入る激務なお店でした。
今は違う営業体制の金融機関もありますが、基本的には9時に開店、15時に閉店となります。
その時間だけ営業している訳では無く、開店準備もあれば、締めの業務もあります。
新人の初々しさと単純に激務なせいもあり、朝の7時40分頃には出勤していました。
自宅を出て電車に乗るのは大体7時前くらい。
駅のホームはいつも空いていました。
そんなある日。
最寄り駅は地下からの風が妙に強くて、みんなしっかりカバンなどを持っていないと、ジュリーのTOKIO状態でバッサバサ翻ってしまいます。
それでも混み合っていたら、人が風を遮るのでヘアスタイルがレゴる程度で済みます。
自分が乗る時間帯は人が殆どいなかったので、ご機嫌にビュンビュン。
電車が通っていなくても、夏のプールで替えのパンツを忘れた小学生くらいスースーいわされます。
いつも通りに地下鉄に乗るべく、テクテクと階段を降りていました。
地下3階のホームへ降りていくほど風が強く吹き付けます。
2階で改札を通過して、3階のホームに降りる階段で10段くらい下に女学生が歩いていました。
電車がホームに入って来たので、女学生も自分も少し急ぎ足に。
すると逆のホームに急行の通過もあって、女学生のスカートが盛大にTOKIOしました。
アイドルの新人賞受賞くらい、こちらがクチの前に手を開いて持って行くほど「キャ!!」と思いました。
背中も見えるくらい、ばっちこい状態なので。
「アワワ!!」と思いましたし、悪いと思ったので「ばっちこい」から目を逸らしました。
すると、スローモーションで振り返った女学生が、鬼の形相でこちらをガン睨みして来ました。
「テメーがやったんか、ゴルアアアアアア!!」 ← 幻聴
「えええ!! 勝手にめくれたくせに!!!」
・・・味方が欲しい!!
後ろを振り返ってみましたが、目撃者は自分だけ。
女学生は鬼瓦のまま駆け下りて、飛び乗り、電車は走り去って行きました。
ホームに自分だけを置いて。(抒情的に)
時は遡って、自分、高校3年生。
自分が高校生の頃は女子はルーズソックスが大流行で、スカート丈も狂った短さがブームでした。
帰宅するべく、教室から玄関に向かって階段を降りていました。
同級生のAちゃんが階段を駆け上がって来ました。
自分が階段を降り切った時にAちゃんに用事があったことを思い出して、振り返ると、階段を上がるごとに、
「おーら、ばっちこーーーい、よいっしょおお!! ※」状態のAちゃん。
※「ばっちこい」最上級。
んまああ!! なんてことでしょう!!!
「Aちゃーん、見えているよ!!」と声をかけました。(優しさ)
Aちゃんは、しばし立ち止まり、
「仕方ないよ!!」
にっこり微笑んで、そのまま駆け上がって行きました。
これ!! この潔さ!!!
ねえ?? みなさん!!
(そうだそうだ!!の声が聞こえます、ありがとう~! 手を振る自分)
今も地下鉄を降りているとたまに思い出します、鬼瓦を。
どうせ思い出すなら「浅草サンバカーニバル級」が良かったです。
振り向いた瞬間の鬼瓦フェイスだけが記憶されています。
Aちゃんも、笑顔だけ覚えています。
衝撃が大きい程、肝心なことは忘れるのかもしれません。
青春っぽい書き方で、お茶を濁しておきます。
風、ご注意下さいね。(丁寧に)
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