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街に溶け込む。

自分の住んでいるところは住宅街で、大きい会社というと電力会社があるくらい。

電力会社はけっこう大きい建物だけど、サーバーが大量設置でもされているのか、事務職風の人の出入りはそんなに多くない。

工事車両の出入りは頻繁だけど、なぜか現場作業員さんがたくさんいる訳でもなさそう。

天気が荒れて雷多発な時は、避雷針になってくれる高圧鉄塔があるので、落雷があって地鳴りが凄くても、そこは安心。

他にはマッサージ屋さんや街の電気屋さん、コンビニ、スーパーなどの地域密着型の小さい店がポツポツある程度。

駅に向かう方面は店がそこそこ並んでいるけど、逆方向は尻つぼみに減っていく。

住宅街だけど人通りが多い訳でも無いから、尻つぼみ方向で息の長い店はほんの数軒程度。


一時期、賑やかな隣の駅周辺に唐揚げ屋さんがわっさ~っと出来た。

唐揚げブームがやってきた、あれです。

おかずにもおつまみにもなるので、どれどれ買ってみましょうかと、わざわざ隣駅まで買いに行ったりした。

唐揚げをキライな人にはお目にかかったこともないし、ブーム絶頂期には子供から学生から会社員からお年寄りもとまんべんなく列を成していた。

いまは行列が出来るほどではないけど、風景に溶け込んでいる感じ。


隣駅は賑やかだけど、当方の駅は実に地味。

その駅からちょっと離れた住宅街は、もっと地味。

その尻つぼみの人通りが少なめな場所は店があっても気が付かない程、地味。

そんな地味な場所へ、からあげ屋さんがブーム中盤過ぎ位に出来たのだ。

自転車で前を通ることがあり、のぼりが風にはためいていて、やっとこさ「あれ、店が出来てる?」と気づいた。

おお、こんな徒歩圏内の地味な場所にからあげ屋さん!

夜に部屋で飲もうと思っていたので「おつまみに良いな」と思って買うことにした。

小さな店でドアも無く、すぐ店員さんと向かい合う状態。

コンビニのホットドッグとか入っているのと同じ位なサイズのケースに、からあげが並んでいる。

からあげの種類とかサイズもいろいろあるけど、鳥皮好きなので、もも肉の大山どりと宮崎産のものをそれぞれ1個ずつ買ってみた。

スーパーで売っているより1個が相当ビッグサイズ。

ちょっとしたケンタッキーのサイズ。

夜にビールを開けて、少し温めたからあげを食べたら、これがジューシー♪

鳥皮の理想的にカラっと揚がっているところと、もも肉の間から肉汁がトロっと、うま味がジュワーっとくる感じ。

ビールを飲む手が止まって、おつまみが「からあげ」だけなのに食べきってしまいました。

それから、ちょいちょい買いに行くようになった。

鳥皮の唐揚げや軟骨唐揚げ、たまに出ている魚の骨を揚げたものもおつまみに最適!

お弁当を始めてからは、昼ご飯用に買いに行くようになった。

最近は混んでいなければ「こんにちは~」「寒いですね~」「暑いですね~」人見知りなりに、ちょっぴり会話も出来るようになれた。

これは行きつけと呼んでも良いかな?と。

最近までほぼ無休状態で夜遅くまでお二人の店員さんで回していたようで、調子崩さないかな?と心配していたのですが、定休日が設定されました。

これからも美味しいからあげが食べたいから、ひと安心。

店内には近くの保育所のちびっこが書いてプレゼントしたのか「いつもおいしいからあげありがとう」みたいな色紙が貼られている。

今はしっかりと存在感のある店として、街の風景に溶け込んでいる。


孤高のからあげ駒沢店さん

東京都目黒区東が丘1-1-20

#私のお店

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