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【読書記録⑫】どうやら僕の日常生活はまちがっている

基本情報

タイトル:どうやら僕の日常生活はまちがっている
著者:岩井勇気
刊行:2021年9月
出版社:新潮社
カテゴリー:エッセイ
読んだ月:2021年12月

ハライチ岩井さんの視点や考え方を、様々な日常のシーンを切り取りながら書かれている。
1作目のエッセイ「僕の人生には事件が起きない」に続く2作目
1つひとつのエピソードに”岩井らしさ”が詰まっている内容でした。

完全に個人的な理解なのだが、ハライチ岩井さんは日常に対しての感受性が非常に強いだと思っている。なので日常の中で遭遇する共通点(あるある話)を発見したり、微細な違いを見付けることが出来ていると思う。加えて自分の過去の経験値と、現在のエピソードとの紐付けをすることで、共通するあるあるや、フリとオチが決まって、面白いのだと思う!

日常の感受性という意味では、オードリーの若林さんも優れていると思う。というか常に面白い話を提供する芸人さんは、皆さん優れているのかな?本当に尊敬します。

いくつか個人的に面白かったエピソードをちょこっと紹介します。

元不良の後輩の事件が起きる人生

岩井の後輩、山出谷は元不良グループのリーダー格で喧嘩無敗、祖父が元横綱という漫画の登場人物のような人である。学生時代もギャラリーが集まる中でタイマンをやって、まず1発殴れるという自分ルールも持っている、いかにも喧嘩漫画のストーリーだ。

そんな山出谷が彼女に振られて、クヨクヨしている時に、先輩の岩井が「連れ戻しに行ってこい」と新幹線代を渡すのである。岩井も漫画の登場人物になろうと助け船を出す。

山出谷の恋愛の結末はいかに

渋谷で初めて「寅さん」を観た

岩井が「男はつらいよ お帰り 寅さん」を観た話。寅さんは人情味が熱いことで有名だが、しょうもないことで周りキレたり、横暴な態度を取る頑固おやじである。周囲の人達もその態度に「寅さんがだからしょうがないよ」という始末。

そんな映画序盤を見て、寅さんの横暴っぷりを正そうとしないのは、周りにも責任がある。野放しに育った悲しき怪物なのだと岩井は思う。しかし物語終盤、甥っ子が思い悩んだ時に寅さんのことを思い出す。。「帰ってきてくれよ、寅さん」と。そう寅さんは、不器用ながらもいつも真剣に甥っ子の相談に乗ってくれていたのだ。

寅さんに迷惑を掛けられていたのを皆が許していたのは、周囲への愛情が人一倍強くあり、それをうまく伝えれられない不器用さもあることを知っていたからだ。そんなことを岩井も気付き、寅さんに感動した。

日常の中で面白いことって、いろいろあるなって思える作品

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