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PhotographySocialFrame #04

展示をします。

タイトルは「PhotographySocialFrame」
100枚の写真で構成された作品です。

なぜいま写真の展示をしよう思ったのか、考えていることと制作過程を、日記的に残していこうと思います。
もしビビッと来たら、展示へ是非お越しください !

PhotographySocialFrame
Toshiki Okamoto

2023.12.23 - 24
東京 原宿 デザインフェスタギャラリー EAST 302



この展示における文字のシステムについて書きます。
100枚の写真には、全てに番号とタイトルが付いている。
この作品は、写真だけでなく、このタイトルによってやっと完成する。
写真から、人それぞれの頭の中に広がる風景が重要だ。
写真には、誰しもが見たことがある日常的な風景が映っている。
そこから想像を膨らませる手助けになるのが、タイトルである。
作品にはタイトルがあるのは、名前をつけることで作品が社会性を持つからだ。
人と同じだ。
名前が付くことで、作品の意味を読み解きやすくなり、はっきりと認識できる。
だから、写真にタイトルが付属するのではなく、同列に扱われるべきだ。
そこで、写真の配置と同じく、タイトルを表示するための文字のシステムを考えた。
参考にしたのは「タイポグラフィ」と呼ばれる分野の知見だ。
タイポグラフィとは、文字を美しく、読みやすく配置することを研究する分野だ。
文字というのは人類が情報を伝達するための主要な方法なので、とても本質的で、多くのデザイナーやアーティスト、プログラマーによって試行錯誤がなされてきた分野だ。
現代において、日常生活の中で最もタイポグラフィが活用されているのは、鉄道の看板だろう。
日本もよくできているけれど、ニューヨークの地下鉄が一番いい例だ。

とても見やすく、わかりやすく、整理されている。
優れた視覚デザインはタイポグラフィを活用して、少ない手数で多くの情報を伝える。
なんだか日本的だなと思うし、今回の展示でやりたいことの一つだ。
実はこの看板システムには分厚いマニュアルがあって、文字のサイズや、文字と文字の間隔などについて細かくルールが決められている。

これが最も体型的にタイポグラフィについてまとめられている本だと感じたので、ここに書かれているルールを自らプログラミングして、アプリを作った。
「Typography Machine」というアプリだ。

文字を打ち込み、文字サイズや行間を指定すると、文字同士の間隔などは自動的に美しく配置してくれる。
このアプリには、先ほどのマニュアルに加え、僕のオリジナルのルールも入っている。
「画面の縦幅 x 横幅のルート」を120で割った値を一単位とする、文字のサイズと位置の単位ルールだ。
これにより、紙面や画面など、あらゆる四角形に対応する流動的な文字の配置が可能となる。
ちなみに、この一単位のことを「ユニット」と呼んでいる。
今回写真の番号とタイトルを印刷するのはA4の紙。
その紙の縦幅と横幅から1ユニットの値を割り出し、文字のサイズを10ユニット、行間隔を4ユニット、位置を左から5ユニット、下から5ユニットとすると、こうなる。

展覧会のタイトルは、位置を左から5ユニット、上から5ユニットとする。

これは、画面が縦になっても同じだ。

ルールとアプリのおかげて、あらゆる形態の情報を、美しく、素早く、大量に作ることができる。

100枚の写真と100のタイトルがある今回の展示では、このシステム化が欠かせなかった。
写真と文字を、レイアウトシステムを持って対等に扱い、展示する。
これが今回力をかけていることです。

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