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犬のおしっこトラブル原因と対処法
18年間A級トリマー、ブリーダーとして犬に携わった中で出会った手作りご飯の世界。勉強して、実際に作って、食べてもらって、日々観察、定期的な検査をした結果から出た答えを書いています。
ストラバイト結晶(結石)
ストラバイト結晶とはおしっこの中のリン酸、マグネシウム、アンモニウムが溶けずにくっついて結晶化する事をいいます。
おしっこトラブル対策のドッグフードではリンやマグネシウムの含有量を制限しています。リンやマグネシウムを制限するにはお肉やお魚を少なくすれば減るので動物性タンパク質が少なくなっています。ドッグフードの原材料表記は多く入っているものから書かれています。
おしっこトラブル用のフードには一番最初にとうもろこしや米、が入っている物がほとんどです。おしっこトラブル用のフードでなくてもそんなフードがたくさんありますが体に何が必要かが分かると選ぶご飯が変わってくると思います。
さて、結晶になってしまうリンやマグネシウムは摂取してはいけない悪い物なんでしょうか?
いいえ、そもそも体内に存在していて体の中で重要な役割をもって働いてくれている体に必要な栄養素なんです。
タンパク質に至っては脳も臓器も細胞も酵素も皮膚も毛も爪も免疫もホルモンも全部タンパク質で出来ています。
リンもマグネシウムもタンパク質も必要な栄養素なんです。
大きな声で言えませんが、特定の栄養素を省いて、他の栄養素は添加物で補ったカスみたいなご飯あげるのやめましょ・・・。ストラバイト溶けても体は喜んでないです。
工夫した手作りご飯においてはリンやマグネシウムやタンパク質の制限はしなくても大丈夫です。
なぜ大丈夫なのか。
結晶化してしまう原因を取り除けば体に必要な栄養素を削らなくてもおしっこトラブルで悩まなくていいんです。
結晶化してしまう原因:菌に負けているから
ストラバイト結晶の原因の80%は菌によるものと言われています。なぜ菌に負けるのか?
免疫力が弱いから
なぜ免疫力が弱いのか?
その1:冷えているから: 冬だけでなく夏でもエアコンがんがんの冷え冷え。お散歩は嫌いで運動不足。
体温が1度下がると免疫は30%減ると言われています。免疫が下がると菌と闘っても負けてしまいます。
その2:腸内環境が悪いから: 免疫細胞の70%は腸に存在していると言われています。犬の腸には1000種、類数百兆個以上といわれる腸内細菌がいて免疫細胞がタッグを組んで外敵から身を守っているのです。
その3:心(ストレス): 免疫細胞の70%が腸で残りの30%は心といわれています。
冷え、腸内環境の悪さと
ストレス
↓
免疫が下がる
↓
菌が増える
↓
おしっこを菌が分解しておしっこ
のPHがあがる
↓
PHの上がったおしっこがリン酸、マグネシウム、アンモニウムを結晶化させる。
対策
冷え対策 : 適度な運動で血流を
よくする。
マッサージをしてあげ
る。(愛犬を観察して
背中を丸めて歩いて
いたりお腹が
硬かったら
血流も悪くなって
います。
優しくなでなでして
あげるだけでも
効果的です。)
腸内環境対策 : 食物繊維や良い菌
(納豆菌、麹菌など)を
摂取する→
腸内細菌の餌になり
腸内細菌が
増加する。
また短鎖脂肪酸が
増加する事で悪玉菌
の育成困難な酸性
に腸が傾く。
※添加物を避ける。添加物が腸を荒らす!食品に含まれる有機リンの腸管での吸収は10~40%に対し添加物の無機リンは90%の吸収率です。オヤツやドッグフードでPH調整剤、乳化剤、膨張剤などと表記されています。
ここでやっと食事の内容のお話になります。
上記の対策をして負けない体を作りつつの食事対策になります。手作りご飯前提のお話になります。
基本割合:肉、魚50~60%:(リンが心配でしたら茹でて茹で汁は捨てる)
野菜25%:白い野菜
( 白菜、大根など)
赤い野菜(ビーツ、
トマト、赤パプリカ
など)、キノコ
(舞茸や なめこなど)
緑野菜はお休み。
細かくカット+
加熱+
冷凍で吸収率が上がる。
生姜少し。
穀物10~25%:(お米、オートミールなど)
トッピングに納豆or甘酒or
お味噌など 少し
オイル:オメガ3
フィッシュオイルor
アマニオイルor
エゴマオイル
(抗炎症作用、慣れない内は少しから)
食べられる子は:牡蛎orホタテ(亜鉛や
タウリン、セレンが豊富)
(慣れない内は少しから)
かつおぶし:(BCAA:バリン、ロイシン、イソロイシンというアミノ酸に
腎臓を修復する効果がある)
ボーンブロス : 腸の健全性を維持し
善玉菌をサポート、
腸粘膜の修復
※海藻、緑野菜はお休みする
※シュウ酸カルシウム結晶はPHの低い酸性では溶けません。
※栄養学に精通した獣医師と相談して行って下さい。
肉、魚を多く摂取する事で尿を酸性に傾け、BCAAで腎臓の保護をしつつ、PHの上がりやすい緑野菜を排除し水野菜やボーンブロスでしっかり水分を摂取し、尿をしっかり出す。
もう1つ大切な事
食事と食事の間隔をきちんと開ける事。
おしっこのPHは1日の内で変化を繰り返しています。食べ物が入ってくればアルカリに傾き空腹になれば酸性に傾きます。
朝ご飯を食べて、オヤツを食べて、またおやつを食べて、ご飯をたべてと常に食べ物が入ってくるといくら食事に気をつけていても尿がアルカリを保って結石を溶かす時間がなくなります。
内臓を休めるには使わない事が1番です。1週間から10日に1度、朝ごはんだけ抜くなどプチファスティングをする事は尿疾患だけでなく他の臓器にもよい影響を与え、栄養の吸収力も上がります。
私達にいつも寄り添い、ひたむきな変わらぬ愛情を与えてくれる今、あなたの横にいる子がずっと健康でいられますように。
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