(一口馬主日記)人生未勝利、出資馬連勝おじさん 後編
前回
中山でエンプレスペイの勝利を見届けた後18きっぷで西へ。
それにしてもこの頃、コロナ禍明けのリバウンドなのか何なのか知らんがホテルが高すぎませんか?
急遽の福島からの予定変更で安宿は全然残っておらず、今回の遠征では個室が予約できるネカフェ泊を選択したのだった。まあフラットシートなら普通に眠れるし悪くはないが、この年になっても学生のような旅行スタイルを続けているのはいかがなものか。
日曜:グランベルナデット、忘れな草賞勝利
ともあれ。無事長距離輸送をクリアして阪神競馬場に到着である。
この日は桜花賞デーでもあり朝からそこそこの人出。とはいえ東京や中山の混雑と比べればマシに感じられ、その点関西の人が羨ましいなと思ったりもする。満員電車とかもないわけではないだろうけど東京よりマシだろうし家賃も安いと思うと同じ社畜やるなら関西の方が得なんじゃないかと思ったり思わなかったり……。
話が逸れた。競馬である。
まずこの日の1R、エンプレスペイの出走レース候補でもあったが強い馬がいそうで回避したというレース。果たしてこのレースを回避したのが正解だったのか?という答え合わせのつもりで見学したところ、結果その馬が圧勝。いやはや見事なレース選択。
グランベルナデットの出走する忘れな草賞は9Rでしばらく時間があり、そこまでに馬券で負けを重ねるのは良くないので競馬はそこそこに、グルメを楽しむなどしながらゆったりと過ごす。飯のラインナップも東京中山より断然いいよなあ(個人の感想です)。
そしていよいよ忘れな草賞の時間。
昨年12月に勝ち上がり後、クイーンカップ5着を経て大目標をオークスとしたグランベルナデットは、輸送のない関東のトライアルレースなどの選択肢もある中で阪神の忘れな草賞を選択。重賞でもトライアルでもない設定上、1着で収得賞金を加算するしかない一発勝負で否が応でも緊張感が高まる。
パドックで真っ先に気になったのはやはり馬体重-10kgの表示。
未勝利から東西関係なく遠征しまくりのエンプレスペイとは対照的に関東を出たことがなかったグランベルナデットとあって、どうしても「輸送失敗」という言葉が頭をよぎる。出てきた馬体を見ても今までより細いしテンション高いな……
と、馬体重で切った馬が来ることに定評のある私は思いました。
勝ちフラグ。
馬券タイム。
流石に自信があってのこのレース選択だと思うし能力は疑っていないし、ここは本当に勝ち以外いらないので2着以下の馬券は買いたくないな、と思いながらもやはり馬体重が気になってしまう。逆張りこそしなかったものの日和ってしまい、使ってもいいかなと思っていた金額の半分くらいしか買えなかった。これがどう出るか?
いよいよ発走。グランベルナデットは、脚質的には先行して押し切りたいがスタートには若干の不安があるという馬。この日の阪神芝はかなり前有利の傾向だったこともあり、とにかく最初が大事。ゲートが開く。
今回はなかなかのスタートを切ることができ、あまり前に行く馬がいなかったこともあり一瞬先頭に立ってしまいそうになるほど。
少しして大外から10番ミッキーツインクルがハナを取りに来たのでこれに前を譲り、グランベルナデットは2番手につける形でコースを回っていく。
この2頭の並びのまま進み、最終コーナーでは徐々に前との差を詰める。
エンプレスペイのレース同様、またも最終直線で前の2頭が追い比べの展開に!
直線半ばで先頭に立ち、突き放す形でゴールイン!!
理想的な展開で強い競馬でした。馬券もっと買っとけや!
レース後の陣営のコメントによると、これまでは馬体に余裕を持たせていたので体重減は想定内とのこと。今まで見てきてグランベルナデットは立派な馬体だなあと思い、これを基準に他の馬を見て細く見えるなあとか言っていた節があるが、そもそもが間違いだったというわけだ。そりゃ馬体重で切った馬が来るよ。
それにしても、出資馬が勝った後に競馬場内を歩いている時の誇らしさというか全能感みたいなもの、やばいですね。自分は何もしてないのに。やっぱり世の正常既婚男女(異常独身男性の対義語)が子供を持つのって自分の子供が成功した時のこういうのを求めてるんですかね?
一流の競走馬の産駒ならともかく、自分の子供なんて良血でも何でもない未勝利馬の産駒に全財産を投資するようなもんだと思うので絶対やりたくないですが……
これでこの時点ではボーダーが微妙だったものの、さあ次はオークスだ、という気持ちで桜花賞のリバティアイランドのバケモンっぷりを見てドン引きしたのでありました。
ということで出資馬連勝、初のリステッド競走勝ち、初のクラシック出走へ…というところだったのですが。
既報のとおり、グランベルナデットはオークスへ向けた調整中に熱発、腸炎の疑いがあるとのことでオークス出走は断念となりました。
これが順調にレースに出走することの難しさ、自分の日頃の行いの悪さかと非常に落胆してしまいましたが、一日も早く回復してまた競馬場で元気な姿を見られるよう祈るばかりです。